fc2ブログ

御役御免

「助かりたい」と、
夫が本気で思わない限り、何も始まらない。

夫のつらそうな姿を見ても、
私には、どうすることも出来ない。

「アルコール依存症治療には、再飲酒はつきもので……
 飲酒すると確実に病気は悪化し、失うものも多くなる。
 ……この病気は、何回か失敗しないと、
 本当に酒を止める気にはならないものである」

依存症関連の本の一文が、頭から離れない。

「何回か失敗……」

一回の入院治療で懲りてしまった夫は、
再飲酒をストップさせる機会を逸した。

「もう一度、入院してやり直せばいいのに……」

家族は皆、心の中で、そう思っているのに、
当の本人は治療に背を向け、諦めてしまっている。

それどころか、
自分はアルコール依存症ではないかも。。。と、
疑心を抱いている。

家族に隠れて、自室で飲酒している行為自体が、
アルコール依存症そのものなのに……。

ダメなものは、ダメなんだ。
夫の身体に、アルコールはNGなのだ。
往生際が悪すぎる。

早く、目を覚ましてほしい。

夫のベッドの下には、
文庫本を収納したケースが、数個並んでいる。
そこに、飲みかけのウイスキーの瓶が納まっていた。

こんな、安酒で身体を傷めつけて……。
中身を捨ててしまいたい衝動に駆られる。

でも、そんなことをしても、事態は好転しない。

ダメな部分を否定しない。
事実をありのままに受け止める。

家族のために、夫は、がむしゃらに走ってくれた。
お陰で、子どもたち二人は大学を出て、社会人に……。

最低限の親の役目は果たしたと思った時、
力尽き、生きる目的を見失ってしまったのだろうか。

酒に酔って、このまま終わってしまっても構わないと
言わんばかりの夫の立ち振る舞いに、心が痛む。

病気になった今が、
生きる意味を見直す時なのに……。
人生の目的があれば、それが生きる力になるのに……。

弱々しい命の灯火を前にして、
私は、励ますことも、元気づけることも出来ず、
ただ、見ているだけ。。。。。

いったい、どうなってしまうのだろう。

あれから、ずっと、
金魚は、逆立ちしたまま、漂っている。

コメントの投稿

非公開コメント

No title.

本人さんもこのままでは破滅するという事は、うすうすか、あるいはよく解ってられるかと思います。
実親との関係や、会社部署ではトップでもあることなので、周りから話してもらうという事も難しそうですね。
それでもどうしても医療につなげたいところです。
ただ、「病院に行きましょう」 でなく、
「いつ、何時に、どの病院へ」と具体的に話す事はできないでしょうか。
また、私の所属する断酒会は、家族だけからの要請でも、出掛けて面談をしていますが。
賭けになるかもしれませんが、いままで手を尽くされ、他に手がないようですし、さしでがましいようですが、もう時間が無い気がします。
心中察します。

yamadagaga様

お心遣い、ありがとうございます。

あなた様からのメッセージは、私の弱い心を奮い立たせてくれます。
私は、まだ、断酒会の扉をたたいておりません。

断酒会の皆さんのお知恵を拝借すれば、
新しい道が見えて来るような気が致します。

本当に、ありがとうございます。

小吉さん、こんにちは。
以前「布石」にて書き込みさせて
頂いた者です。
あれから私は、今年になって
五年ぶりの「休肝日」を設けました。
一週間で焼酎二升飲んでいた
私にしては画期的なんです。笑
しかも週三日も禁酒しました。
正月休みの間、依存症について
調べまくりました。
小吉さんのこちらのブログの
おかげです。
そして酒が抜けきった時、
初めて自分の精神状態が普通じゃ
なかった事に気付きました。
小吉さんが本当に救いたいのは
ご主人様ですよね。
思う様に事は進まないジレンマ
おありでしょうが、何故か
見ず知らずの私が救われました。
すいません。
有り難う御座いました。

No title.

成す術がないこと、はがゆいばかりですね。
毎日毎日同じことを考え、見守り、祈る・・・。

正直、すぐそこにある、安心して暮らせる環境。
しかし、そこへたどり着くためには、自分の大切な人が、戦うしかない。自分は見てるだけ・・・。
応援することすら許されないとは、どれだけ過酷でしょうね。

ハニハニ様

ご自身のお酒の飲み方について、
振り返りが出来たことを大変うれしく思います。

正しい知識を得ることは、
きっと、ハニハニ様のお身体を守ることになると思います。

陰ながら、ハニハニ様のお幸せをお祈り申し上げます。

嫁。様

私の心に寄り添うお言葉、ありがとうございます。

本当に、歯痒い思いは、この上もなく……です。

そして、時々、どうしようもなく、
この現実から逃げ出したい衝動に駆られます。。。。
プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

ランキング
カウンター
カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ