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酒、人を呑む 「蛙の子」

人生とは、まことに、遣る瀬無いものだ。

我が家の箱入り息子は、大学生になった途端、
箱から飛び出してしまった。

昼間は、小遣い欲しさのバイト三昧。
夜は、高校時代の仲間と夜遊び三昧。

大学へ行っている気配がない。

初めのうちは、ぶつぶつと説教していたが、
もはや、母親の言うことを聞く年齢ではない。

夫に相談すると、
「ほっとけばいい」と、つれない。

気が抜けてしまい、
息子の行動に口を挟むのをやめ、
静観し続けること、数か月。

ついに、
息子の堕落した生活に、天罰が下った。

その日、深夜に帰宅した息子は薬箱を物色。
「全然、薬が効かない。。。」
と、腹を抱えてうずくまっていた。

「今、飲んだばかりでしょ。
 もう少し、様子を見た方がいいよぉ~~」

呑気な母親にしびれを切らした息子は、
自分の携帯電話で、救急車を呼んでいた。

息子の具合を夫に知らせようとしたが、
酔いが回って爆睡中の夫は起きる気配がない。

そこそこ酔ってはいたが、
起きている私が、息子に付き添うしかない。

救急車が到着し、
息子は救急隊員に抱えられ、エレベーターに乗った。

自宅はマンションの3階、息子に追いつくために、
私は階段を走り降り、最後の数段を踏み外した。

思いっ切り、尻餅をつき、
あまりの痛さに、酔いが吹っ飛んだ。

腰をさすりながら、救急車に同乗したのだった。

救急病院の処置室に通されると、
男性医師が、息子の食べた物を聞き取り開始。

「お酒も飲んでいるみたいだね」

「少し。。。。」

どうやら、居酒屋で友達と酒盛りしていたようだ。

内緒の飲酒が、親にばれてしまい、
息子は、罰が悪そうな顔をしていた。

「未成年(18歳)のくせに、飲んでるから、
 バチが当たったんですよ、ね」

私は意地悪い言い方で、医師に同意を求めた。

「おそらく、ウイルス性の急性胃腸炎ですね。
 今回は、急性アルコール中毒の症状ではないので、
 お酒の飲み方は、ご家庭で指導して下さい。
 でも、もう、大学生ですから、
 多少のお酒はねぇ~~、ありでしょう」

先生も、いける口のようだ。
お酒に甘すぎる。

結局、点滴による絶食治療で、3日間入院。
病院代、3万7千円也。

くれぐれも、酒の飲み過ぎには気を付けるよう、
領収書を息子の机に張り付けて、注意を喚起した。

その1年後、
息子は、大学サークルの飲み会で、
またもや、救急車のお世話になり、入院した。

今度は、正真正銘の急性アルコール中毒だった。

その時の息子の言いぐさが……。

「おかしいな。
 パパとママの子だから、酒は強いはずなのに……」

確かに、蛙の子は蛙だ。
酒に目がなく、酒に卑しすぎる。。。。

現在、息子は26歳。

仕事を終えた後、コンビニに立ち寄り、
缶チューハイ、大小2缶が入ったレジ袋を、
ぶら下げて帰って来る。

夫がアルコール依存症治療で入院した日に、
我が家にあった酒を全て処分し、
以来、酒の買い置きはしていないので……。

息子は、自分の分だけ買い求め、
自室で、こっそり飲んでいるのだ。

蛙の子は蛙。

なぜか、息子の将来が、
夫とダブって見えてしまい、不安が募る。。。。。

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非公開コメント

No title.

いつの間に身についてしまったか??
全くわからない飲酒習慣・・・。

20年前?20代の頃は自宅で一人、飲むなんて考えられない事、
だったように思います。
もちろん、飲みに行ったり、友達と家で飲むのは好きでしたが。

息子様も習慣にならなければよかったですね。

嫁。様

息子の飲酒傾向が、気掛かりでなりません。

お酒で身体を壊した父親を反面教師にして、
節度のある飲酒を心掛けて欲しいのですが……。

どうなることやら。。。。です。
プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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