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酒、人を呑む 「乱用」

人生とは、まことに、軽薄なものだ。

私の実家で、暮らしていた頃の夫は、
サザエさんちの「マスオさん」のようだったが……。

波平のような父はいなく、物静かな母だけなので、
夫の暮らし振りは、気楽なものだった。

仕事に油が乗っていた夫は、
家事や育児に縛られることもなく、会社人間だった。

接待酒で、はしご酒。
帰宅はタクシーで、午前様の日々。

会社の経費での飲食が大半のようで、
後は、上司のおごりと聞いていた。

だから、クレジット会社から、
夫宛の封筒が届くとは、思いも寄らなかった。

胸騒ぎ!?は、的中。
請求書には、「パブ○○ 7月利用分、約3万4千円」

「会社の仲間と行ったんだけど、
 みんな、現金の持ち合わせがなくて……。
 俺が、カードで立て替えたんだ。 
 引落しに間に合うよう、入金しておいてね」

夫は、悪びれる様子もない。

当時、夫の小遣いは月3万円。
仕事は、外回りの営業。

急にお金が必要になった時、
小遣いだけでは心細いからということで、
クレジットカードを作ったばかりだった。

「カードを使うことはないと思うけど、
 持っていれば安心。お守り代わりだよ」

そんな夫の言葉を信じた私が、甘かった。
 
「8月利用分、9月利用分、10月利用分」と、
3万円超えの請求書が毎月届くようになり……。

「11月利用分、約12万円」で、私は平静を失った。

明らかに、おかしい。
こんなに、入れ揚げて……。
いかがわしい店に決まっている。

夫の言い草が、これまた、馬鹿げている。

「この店で、みんなが、
 俺の誕生日を祝ってくれたんだ」

何が、お祝いだ!!
誕生日のプレゼントひとつ頂くこともなく、
ドンチャン騒いだあげくの支払いは、全て夫だ。

酔った勢いで、気が大きくなり、
こんな形で、カードを乱用するとは……。

回収の苦手な夫は、
今までの分も、おごりのままのはず。
酒は、金銭感覚を狂わす。

貯金を解約し、支払いに充て、
ついでに、クレジットカードも解約した。

年が明けて、夫宛ての年賀葉書には、
律義な後輩の添え書きが……。

「今年も、パブ○○に連れて行って下さい」

腹立たしさが、ぶり返してしまった。

幼い子ども2人抱え、安月給で家計は火の車なのだ。
そんな店で、豪遊している場合ではないのだ。

同僚や後輩たちのおだてに乗って、
結局、30万円近くが、泡と消えて行った。

かれこれ、20年以上も前の苦い思い出だ。

カードの乱用は、カードの没収で、
それ以上の深みにハマることなく解決できた。

しかし、アルコールの乱用は、根が深い。

明らかに飲み過ぎているので、体に毒だからと、
酒を取り上げても、隠しても、捨てても、
いつの間にか、ちゃっかり、飲んでいる。

昔も今も、酒の飲み方だけは、変わっていない。

コメントの投稿

非公開コメント

No title.

カードがそのぐらいの浪費で終ってよかったです。
みんなと飲み行ってカード払いの人を見ると寂しく感じたものです。枕言葉とおりですね。手持ちの範囲で楽しめれば、です。
 もう読まれてるかもですが、「断酒ブログ村」で奄美病院のSWのかたが、11/22 『家族はどのように対応するとよいか』 という記事を書かれています。
うまくまとめられていると思います。

yamadagaga様

夫との暮らしを振り返り、
ずっと以前から、アルコール依存症だったんだなぁと、
実感しております。

数々の尻拭いをして、現在に至る!?です。。。。

奄美病院のブログは、まさに、言い得て妙!!
「家族が尻拭いをしない」
理解はしているのですが、実践は、もたついております。。。。

No title.

20年以上も前の話、ということは、その後の繰り返しは
なかったんでしょうね。
ホントそこでとどまり良かったですね。
されど30万ですけどね(涙)

カードを破棄しようが、自殺をしようかと考えようが、
繰り返す人はとことん繰り返しますから・・・。

酒も借金も同じく依存してしまうみたいです。
依存してしまうと、やはりどちらも大変ですよね。

嫁。様

夫は、賭け事には、一切、興味ないので、
あれ以来、借金はないのですが……。

お小遣いの範囲内で、こそこそと、
安酒を独り飲みしております。

死ぬまで飲み続けるような気がします。

これも、因果とあきらめております。
プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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