人生とは、まことに、無謀なものだ。
2階のベランダでうたた寝していたお義父さんが
目を覚ました時、掃出しの窓は閉まっていたそうで……。
当たり前のことだが、
窓を開けて、室内に入ればいいのだ。
ところが、窓は開かない。
なんと、内鍵がかかっていたのだ。
お義父さんは、窓を叩いたり、
声を上げたりして、助けを求めたようだが……。
ベランダに閉じ込められているとは、つゆ知らず、
階下の居間では、賑やかに夕食が始まっていたのだ。
異変に気付いた夫が2階に上がり、
窓のカギを開けたのだが……。
締め出しを食らったお義父さんは、仏頂面。
食卓に着くと、お義父さんの犯人捜しが始まった。
溺愛する小2の孫娘が、こんな悪戯をするわけがない。
いちばんチビ助の3歳の孫娘(うちの長女)が、
犯人とは思えない。。。。。。。
残るは、我が家の5歳の長男坊のみ。
男の子=悪ガキ。
うちの息子の仕業に違いないというのが、
お義父さんの推理だ。
おじいちゃんに、問い詰められて、
息子は、きょとんとしている。
悪戯をした自覚が全くないのである。
お義父さんが執拗に、
うちの息子を犯人に仕立て上げるので、
堪えかねた夫が声を荒げた。
「誰が、窓のカギをいじったかは分からない。
いずれにしても、たわいない子どもの悪戯だ。
子どもたちが、怖がっているじゃないか。
もう、誰だって、いいじゃないか。
みんな、じいさんの孫なんだから!!」
お義父さんは、腹の虫がおさまらない様子で、
酒をあおりながら、ぶつぶつ文句を言っていたが……。
途中で、話は脱線し、
今度は、自分の息子である、
私の夫の生活態度を責め始めた。
自分の家を持てず、嫁の実家に居候。
情けない息子だと、お義父さんは嘆き、毒づく。
夫が言い返すと、お義父さんも負けじと応戦。
「お前とは、刺し違える、覚悟は出来とる!!」
食卓を思い切り叩き、立ち上がったお義父さんは、
勢いよく押し入れの襖を開けた。
積まれた座布団の間から、短刀を抜き出すと、
その刃先を大きく振りかざして、夫を威嚇した。
こんな物を隠し持っていたとは……。
危な過ぎる。
酔っ払いに刃物だ。
私は、息子と娘を抱きかかえ、うずくまっていた。
目の前の出来事が怖くて、涙が止まらない。
と、その時、お義父さんが、私に怒鳴った。
「そんな所で、ぼさっと、泣いてないで…。
親に歯向かう、あんたの亭主を止めるのが、
あんたの仕事じゃろ!!」
とばっちりだ。
それに、こんな危険な親子喧嘩の仲裁なんて、
私には荷が重すぎる。
暴れる父親の手から、
夫が短刀を奪い取り、庭に投げ捨てると、
「出てけ! 今すぐ!!
ワシの家から、出てけぇ~~~」
お義父さんが、わめき出し、
私たち家族4人は、夜、家から締め出された。
以前にも、似たような光景があったなぁと、
思い出し、悲しくなった。
その夜、タクシーを拾い、素泊まりの宿を探した。
夜中、5歳の息子は、持病のぜんそく発作に苦しみ、
持参した常備薬を飲むも、効果なく……。
朝が来るのを待って、
病院へ駆け込み、応急処置をしてもらい……。
新幹線に飛び乗り、家路を急いだのだった。
2階のベランダでうたた寝していたお義父さんが
目を覚ました時、掃出しの窓は閉まっていたそうで……。
当たり前のことだが、
窓を開けて、室内に入ればいいのだ。
ところが、窓は開かない。
なんと、内鍵がかかっていたのだ。
お義父さんは、窓を叩いたり、
声を上げたりして、助けを求めたようだが……。
ベランダに閉じ込められているとは、つゆ知らず、
階下の居間では、賑やかに夕食が始まっていたのだ。
異変に気付いた夫が2階に上がり、
窓のカギを開けたのだが……。
締め出しを食らったお義父さんは、仏頂面。
食卓に着くと、お義父さんの犯人捜しが始まった。
溺愛する小2の孫娘が、こんな悪戯をするわけがない。
いちばんチビ助の3歳の孫娘(うちの長女)が、
犯人とは思えない。。。。。。。
残るは、我が家の5歳の長男坊のみ。
男の子=悪ガキ。
うちの息子の仕業に違いないというのが、
お義父さんの推理だ。
おじいちゃんに、問い詰められて、
息子は、きょとんとしている。
悪戯をした自覚が全くないのである。
お義父さんが執拗に、
うちの息子を犯人に仕立て上げるので、
堪えかねた夫が声を荒げた。
「誰が、窓のカギをいじったかは分からない。
いずれにしても、たわいない子どもの悪戯だ。
子どもたちが、怖がっているじゃないか。
もう、誰だって、いいじゃないか。
みんな、じいさんの孫なんだから!!」
お義父さんは、腹の虫がおさまらない様子で、
酒をあおりながら、ぶつぶつ文句を言っていたが……。
途中で、話は脱線し、
今度は、自分の息子である、
私の夫の生活態度を責め始めた。
自分の家を持てず、嫁の実家に居候。
情けない息子だと、お義父さんは嘆き、毒づく。
夫が言い返すと、お義父さんも負けじと応戦。
「お前とは、刺し違える、覚悟は出来とる!!」
食卓を思い切り叩き、立ち上がったお義父さんは、
勢いよく押し入れの襖を開けた。
積まれた座布団の間から、短刀を抜き出すと、
その刃先を大きく振りかざして、夫を威嚇した。
こんな物を隠し持っていたとは……。
危な過ぎる。
酔っ払いに刃物だ。
私は、息子と娘を抱きかかえ、うずくまっていた。
目の前の出来事が怖くて、涙が止まらない。
と、その時、お義父さんが、私に怒鳴った。
「そんな所で、ぼさっと、泣いてないで…。
親に歯向かう、あんたの亭主を止めるのが、
あんたの仕事じゃろ!!」
とばっちりだ。
それに、こんな危険な親子喧嘩の仲裁なんて、
私には荷が重すぎる。
暴れる父親の手から、
夫が短刀を奪い取り、庭に投げ捨てると、
「出てけ! 今すぐ!!
ワシの家から、出てけぇ~~~」
お義父さんが、わめき出し、
私たち家族4人は、夜、家から締め出された。
以前にも、似たような光景があったなぁと、
思い出し、悲しくなった。
その夜、タクシーを拾い、素泊まりの宿を探した。
夜中、5歳の息子は、持病のぜんそく発作に苦しみ、
持参した常備薬を飲むも、効果なく……。
朝が来るのを待って、
病院へ駆け込み、応急処置をしてもらい……。
新幹線に飛び乗り、家路を急いだのだった。