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酒、人を呑む 「遠くの孫~2」

人生とは、まことに、理不尽なものだ。

日が傾いて来たので、海水浴はお開き。

子守りと飲酒の相乗効果なのだろうか?

家に戻ると、「眠たい…」と言いながら、
2階に上がったお義父さんは、
夕食の準備が出来ても降りて来ない。

孫たちが様子を見に行った。

「おじいちゃん、ベランダで寝てるよ~」

小2の孫娘の報告を受けたお義母さんは、

「酔いが醒めれば、起きて来るから。
 先に、食べ始めていいからね~~~」

夫も私も晩酌を始め、
子どもたちも、思い思いのおかずをつまみ、
賑やかに宴が進行。

と、その時、
テレビの音に、かき消されながらも、
2階の方から、「ドン、ドン」と、
何かを叩くような音が、かすかに聞こえた。

「オ~イ、オ~~~イ」と、
何かを呼ぶような声も、小さく聞こえた。

一同、お義父さんが目を覚ましたのだと思った。

でも、夕食会場の居間に降りて来ない。
不審に思った夫が、覗きに行った。

夫は、すぐに戻って来たが、
お義父さんは、2階から降りて来ない。

今度は、お義母さんが見に行った。

やっと、食卓についたお義父さんは、
箸を持つこともなく、ぶすっとしていた。
じっと、私の息子の方をにらんでいる。

「全く、とんでもない奴だ!! 許さん!!」

お義父さんが、声を荒げた。

5歳の息子も私も、
お義父さんが激昂する意味が分からず、
怖くて、夫にしがみついた。

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No title.

目が据わって、にらんで「許さん!」・・・。
それは怖いですよね。
5歳児、嫁共に何がなんだかわからず恐怖のみですね。

何がそこまで機嫌をそこねてしまったんでしょうか?
心配です(涙)

嫁。様

今となれば、全ては、アルコール依存症のなせる業と、
思えるのですが……。

当時は、お義父さんのことを
偏屈な変わり者と毛嫌いしてしまいました。

お義父さんも辛かったのだと、偲ばれます。
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小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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