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腐れ縁

いったい、どれほどの記憶が残っているのだろうか。
こちらは素面、相手は目もうつろな酔っ払い。

「離婚だ!!」と騒ぎ立てたのは、夫だ。

話を蒸し返す気にはなれず、
棚上げしたまま、夫の動向をうかがう。

夫は、出勤した。

軽く詰めたお弁当も、食べ残していた。
具合が悪いのだ。
体力もなく、仕事どころではないのだ。

食欲減退で、夕食も、すぐに箸を置いてしまい、
処方箋や市販の胃薬や風邪薬をちゃんぽんしている。

こんなに体調が悪いのに……。

悪魔に取りつかれているとしか思えない。
自室に籠り、ウイスキーの小瓶1本は、
欠かさず、飲み干しているのだ。

夫が死を呼び寄せているような気がしてならない。
夫は、おそらく、私より先に亡くなるだろう。

期限がぼんやり見えて来ると、
それまでの恨みつらみが、静かに引けて行く。

大変難儀な病気に振り回されて、
夫もつらいのだ。

理不尽な言動は、アルコールのなせる業。
本来の夫は、家族思いの温厚な紳士なのだ。
変わり果てた今の夫は、にせものだ。
私は、本物の彼を知っている。

飲み続けて死ぬ夫、飲まずに生きる夫、
どちらの結末になっても、受け入れ、見届けよう。

「腐れ縁だから。。。しょうがない。。。」

他人様には、そう、うそぶいている。
まったく、口が悪い、可愛くない女だ。。。。

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小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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