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宿命

公共施設で働いているので、応急手当の知識は必須だ。
業務命令で、3年ぶりに、「救命講習」へ参加した。

会場に派遣された消防士が、開口一番、

「皆さん、倒れている人を見かけたら、どうしますか?」

一応、前回も、講習を受けているので、

「119番通報し、意識があるか呼吸しているかを確認。
 息をしていなかったら、心肺蘇生を試み、AEDを使う」

と、マニュアル通りの答えが出てきたが……。

それとは別に、

「倒れたのは、その人の寿命かな。
 そういう、宿命なのかも。。。。。」

と、救命処置に消極的な、もう一人の自分がいた。

たぶん、夫を見ているからだろう。

もし、夫が倒れたら……。
消えかかった命を引きとめて、まだ、生き続けるようにと、
私は、手を差し伸べるだろうか。。。。。

助かった命で、
すっぱり、酒と縁を切って、生きていければいいが……。
成功者は、多くないような。。。。。。

また、酒に振り回されて、本人も周りも生き地獄だ。

人生後半、私に残された時間は、限られている。
つらい日々は、もう、いらない。

夫は、アルコール依存症治療に背を向けている。
このままだと、夫の人生のゴールは近い。
自身が希望する寿命を全うすることになるだろう。

夫の人生を決めるのは、夫だ。

回復した夫と余生をともにしたい気持ちもあるが……。
それは、私の願いであって、強要は出来ない。。。。。

それにしても、宿命なのだろうか。
夫の病状に一喜一憂しながらも、私は夫のそばにいる。

「そばに居合わせた人が救命処置をすることで、
 助かる可能性が大きくなります」

消防士の熱い語り口に、
夫の回復を諦めきれない私が、ひょっこり、顔を出す。

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No title.

大きなことを言えた義理ではないし、何の根拠もないといえばないのですが、旦那様が治療に専念しようという気持ちは突然やってくるのではないか?と思います。
私もタバコをやめようなんてサラサラ思ってなかったし、だんながうるさいから旦那の前でだけ(友達の前では吸ってた)やめたふりをしてみたりしてましたが、20年ほどやめられなかった、というよりはやめなかった。
しかし、2年前、きっちりやめてしまいました。
自分でもちょっとびっくり、周りはもっとびっくりです。
やめて2年と2ヶ月あまり・・・。まだ未だにふと吸ってみようかと考えたりしてますが、たぶん、よほどの何かがない限り復活はしないと思ってます。(自信はありません)
余生を共にする気持ち叶いますよう願っております。

嫁。様

禁煙体験を持つ、嫁。様のお言葉には、励まされます。

断酒する日が、「突然やってくる」ことが期待できそうな、
ちょっと、うれしい気持ちになりました。

外野の「やめろコール」は耳障りなだけなので、
なるべく、静かに見守ることに徹しますね。

夫の「突然」が近い将来でありますよう、
そして、嫁。様のご健康が続きますよう、お祈り申し上げます。
プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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