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開き直り

子どもたち(当時、息子~大学2年、娘~高校2年)が、
大学を出るまでは、生きていてほしい。
せめては、下の子どもが、
成人するまでは、生きていてほしい。

寝酒が習慣化して、深酒する事も多くなり、
夫の寿命が尽きるのが、そう、遠くないように思えた。

だから、再検査を受ける気になってくれたので、
少しだけ、 ほっとした。
治療をすれば、良くなると思っていた。

検査結果をもとに、女医が治療方針を示した。

肝機能を改善するため、まずは10日間の禁酒。
中性脂肪とコレステロールを下げるため、体を動かすこと。

夫は、1日1万歩以上を目標に、
時間の許す限り、歩くことを優先した。
もともとが、体育会系なので、
運動は苦にならない様子だった。

しかし、禁酒は、相当、身に応えていたようだ。

晩酌なしの夕ご飯は、あっという間に終了してしまい、
見たいテレビ番組もなく、手持ち無沙汰で……。

布団の中で本を読みながら、睡魔を待つも、
一向に眠くならずに夜が明けて……。
不眠を訴えて、機嫌はすこぶる悪い。

私の何気ない会話にも苛立ち、
いちいち上げ足を取るので、ほとほと閉口した。

長い10日間だったが、
禁酒した甲斐あって、検査結果は少しだけ改善した。

私も夫の禁酒に付き合って、酒を我慢した甲斐があった。
「この調子で禁酒生活を続ければ、正常値になれるね!」
やる気になったのは、私だけ。

「今日で、禁酒期間はおしまい!!」と宣言し、
待ってましたとばかりに、夫は晩酌再開。

その結果、次回の検査では数値は再び異常に……。

女医の口から、
「1か月の禁酒」という言葉が飛び出すと、
夫は、耳をふさいでしまった。

「10日が限界。1か月なんて、冗談じゃない。
 それに、医者が言うほど、体の調子は悪くないし……」

夫は、早々に受診をやめた。

「好きな酒を飲んで、死ぬのなら、本望だ!!」
夫は、開き直ってしまったのだ。

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小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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