「俺、結婚する時、言ったよね。
50歳位しか生きれないと思うからって。
あの時、25歳になる年だったから、
あと、25年余りの結婚生活だけど、
それでも、いいかって、言ったよね」
突然、そんな話を切り出されても、記憶になかった。
「ごめん。よく、覚えていない。
もしかして、その時、酔っ払っていたかも???」
「お前も俺も、素面だったよ」
私は、昔も今も、人の話をろくに聞いていないようだ。
返す言葉がなく、黙ってうつむいていると、
さらに、夫は、話し続けた。
「もう、働けないよ。
体も頭も壊れてる。限界なんだ。。。。。」
「病気を治療すれば、楽になるから……。
身体からお酒を抜く治療から、やり直そうね」
「治らない。 無駄だよ。
さっきも、言っただろ。
人生50年でいいと決めて、生きて来たんだ」
11月、夫は52歳になる。
夫の中では、もう、人生は終わているのだ。
だから、断酒する必要がないらしい。
飲み続けることを正当化してしまっている。
かたくなに閉ざされた夫の心の扉は、
そう簡単には開かない。
「俺はダメだ。 酒も煙草も元通りさ。
お前は、俺が入院した日から、
ずっと、酒を飲んでいなかったの?」
「うん。願掛けだから。。。。」
「そうか。 酒との縁が切れていたのに……。
俺が、飲ませてしまったんだね。ごめん。。。」
謝られて、私は困惑してしまった。
娘の引っ越しを手伝った夜、
夫が用意してくれた酒を、私は、私の意思で飲んだのだ。
1年4か月振りに……。
私の身体の心配より、自分の身体を労わってほしい。
さっさと、
人生の幕引きなんてしないでほしい。

喘息持ちの息子が独立したら、
ペット可の家に引っ越して、
夫婦と猫一匹の暮らしを楽しもうねって、約束したのに……。
いちばん、猫を飼いたがっていたのは、夫なのに……。
最近、夫は猫のことを口にしなくなった。
50歳位しか生きれないと思うからって。
あの時、25歳になる年だったから、
あと、25年余りの結婚生活だけど、
それでも、いいかって、言ったよね」
突然、そんな話を切り出されても、記憶になかった。
「ごめん。よく、覚えていない。
もしかして、その時、酔っ払っていたかも???」
「お前も俺も、素面だったよ」
私は、昔も今も、人の話をろくに聞いていないようだ。
返す言葉がなく、黙ってうつむいていると、
さらに、夫は、話し続けた。
「もう、働けないよ。
体も頭も壊れてる。限界なんだ。。。。。」
「病気を治療すれば、楽になるから……。
身体からお酒を抜く治療から、やり直そうね」
「治らない。 無駄だよ。
さっきも、言っただろ。
人生50年でいいと決めて、生きて来たんだ」
11月、夫は52歳になる。
夫の中では、もう、人生は終わているのだ。
だから、断酒する必要がないらしい。
飲み続けることを正当化してしまっている。
かたくなに閉ざされた夫の心の扉は、
そう簡単には開かない。
「俺はダメだ。 酒も煙草も元通りさ。
お前は、俺が入院した日から、
ずっと、酒を飲んでいなかったの?」
「うん。願掛けだから。。。。」
「そうか。 酒との縁が切れていたのに……。
俺が、飲ませてしまったんだね。ごめん。。。」
謝られて、私は困惑してしまった。
娘の引っ越しを手伝った夜、
夫が用意してくれた酒を、私は、私の意思で飲んだのだ。
1年4か月振りに……。
私の身体の心配より、自分の身体を労わってほしい。
さっさと、
人生の幕引きなんてしないでほしい。

喘息持ちの息子が独立したら、
ペット可の家に引っ越して、
夫婦と猫一匹の暮らしを楽しもうねって、約束したのに……。
いちばん、猫を飼いたがっていたのは、夫なのに……。
最近、夫は猫のことを口にしなくなった。