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欠けた親

「依存症者の70%が、幼児期に、
 愛情の欠けた両親に育てられた

そんな調査報告もあるという一文を目にした時、
「やっぱり。。。。」と思ってしまった。


夫は、両親を快く思っていない。

父も母も、仕事に出ていた。
その疲れも手伝って、家では二人とも不機嫌。
毎晩、些細なことで夫婦は怒鳴り合い……。
それは、父親が酔い潰れて寝てしまうまで続き、
子どもにとって、最高に居心地の悪い家庭だった。

高熱が出て、苦しかった時も、
親は夫婦喧嘩の真っ最中。
7歳の少年は、一人で氷枕を用意して、
布団にもぐり、じっと耐えた。

親が共稼ぎでも、生活は苦しく、
玩具もお菓子も買ってもらった記憶がない。
もちろん、誕生日を祝ってもらったこともない。

貧乏ひま無しの親との間に、
楽しい思い出は、何一つ無かったと言う。

夫は、自分の生い立ちを多くは語らないが……。
酔いが回って、こぼれ出た夫の言葉を繋げていくと、
彼の育った環境が偲ばれ、胸がつまった。

夫の記憶は幼児期ではなく、学童期だが、
両親の愛情いっぱいとは言い難い。

依存症の下地は出来ていたのかもしれない。

父親の死から10年経ち、
ひとり暮らしの母親は、今春、痴呆で施設に入居。

田舎の実家は、廃屋になった。

末っ子長男の夫の心中は、如何ばかりか……。

親のこと、自分の身体のこと、
つらい現実が、病気に拍車を掛ける。
酒以外に憂さを晴らす方法が見つけられず、酒に走る。


「アルコール依存症」を発症した今の身体では、
二度と「普通に飲む」ことは出来ないのに……。

強烈な飲酒欲求の支配下で、飲酒が止まらない。
夫は、身体の限界に挑み続けている。。。。。

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No title.

はじめまして、熊子と申します。
ブログいつも拝見しています。

うちのダンナもアルコール依存症です。
でもダンナや義理の両親は全く認めず、
あまり問題視もしていません。

私はダンナが何かやらかすと、
イライラしてしまって、
とても小吉様のように、
『病人のやったことなんだから・・・』と思えず、
いっそのこと死んでくれ!と思ってしまいます。
本人に治療する気があるのなら・・・とも思うのですが、
いったい、そんな時はいつ訪れるのだろう?と
途方に暮れています。

なんだか愚痴のようになってしまって申し訳ありません。

依存症の多くは愛情の欠けた親に育てられたとのことですが、
依存症の親を持つと、
子供がアダルトチルドレンになりやすいといいますよね。
子供の事も心配で、この先、どうしたら良いのだろう・・・と
思い悩む日々です。

とりとめもなく書いてしまいました。
ごめんなさい。


No title.

小吉さま

どうしてこうも状況が似ているのでしょうか
依存症の決められたルールがあって、親から子へと
食事、体質、性格、あと実際に体験したこといろいろ
なことが受け継がれてしまうのでしょうか。

私がいくら薬が効かなくなる(認知症の)からなるべく飲まないようにしようよといっても大丈夫色付きの文字だからといって止めません

義母はそんな息子にけっして飲むなとはいいません
言っても無駄とわかっているのかむしろ嫁にお酒を
セーブされているのがかわいそうと思っているふしが
あります。

どちらにしても負の連鎖は避けたいですよね。片方の親だけでも愛情いっぱいに育てれば子供はわかってくれると思います。うちの長男は夫のいいところ
をとても尊敬しています。仕事に真面目なところです。それがあるからやってこれたのかも。

くまこ様

お立ち寄り、ありがとうございます。

「いっそのこと死んでくれ!」は、
依存症者の妻なら、避けて通れない道のように思えます。

私も、夫の態度にうんざりして、
何度も心の中で、「いっそのこと……」と、お願いしていました。

でも、病気であることも分からないような、重症な病人!?なんだと、
夫に対する見方を変えたら、腹立たしい思いも半減しました。

依存症の父親を見て育つお子様の将来を思うと、心配は尽きません。
お子様が、依存症という病気を理解するのは、難しいかもしれませんが、
父親がそういう病気であることを、折に触れて、伝えた方がいいと思います。

家族を巻き込む病気なので、家族は正しく病気を理解しないと、
振り回されるばかりですものね。

大変でしょうが、
どうぞ、あまり、思い悩まないで下さいね。
意外と、何とかなるものです。

きばなコスモス様

我が家の息子も娘も、父親の酒にだらしない所を受け入れて、
父を慕い、敬っております。

子どもが、父親を尊敬しているのは、
父親の大きな愛情が、ちゃんと伝わっている証拠なんですね。

きばなコスモス様のご長男様も父親に一目置いて……。
きばなコスモス様とご主人様のお子様への愛情の深さが
見て取れます。

愛情があれば、負の連鎖は、断ち切ることが出来ると信じます。
プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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