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思い出作り

唐突だった。

「9月3日、有休取ったから。 日・月で旅行しよう。
 行きたい所に、予約入れておいてね」

そんな話を前々日の夜に切り出されても……。

しかも、日帰りではなく、泊まりだなんて、
いったい、何を考えているのだろう。

温泉とご馳走だけで、我慢できる夫ではない。

だから、アルコール依存症の入院治療後は、
あえて、宿泊の話題は避けて来たのだ。

それに、計画していないから、予算もない。

「お金ないから……」で、終わりにしようと思ったら、
「金はあるから!!」と押し切られてしまった。

隠れ飲酒後の家での不始末を思うと、
宿での品行も……と、気が重くなる。

でも、私の休みに合わせてくれた、
夫の配慮を無駄にしては、申し訳ない。

「旅の恥は掻き捨てる」と開き直り、旅に出た。

宿の夕食時、
夫は、遠慮がちに、冷酒をちびちびと飲んでいた。

先に、酔っ払った方が勝ち!!

私たち呑兵衛夫婦の、過去の飲酒場面が頭に浮かび、
私は、率先して酒をあおった。

どちらか一方が酔いつぶれてしまうと、
残された方は、酔いが醒めて来て、
酔っ払いの動向を見守るような雰囲気になるのだ。

夫の醜態を防ぎたい一心で、
「今宵、私の天下!!」と、ばかりに、
束の間の上げ膳据え膳を楽しませて頂いた。

P1050933.jpg

夫は、楽しかったのだろうか。

温泉風呂もそこそこに、部屋で寝転んでいた。
観光地でも、イスを見つけては、座って休んでいた。

往復の長距離運転で、
かえって、疲れが増したようにも見える。

命がけの旅行だ。

なんだか、
思い出作りを急いでいるように思える。

飲み続けることを選択している夫の生き方を
応援する気にはなれないが……。

夫が、本気で助かりたいと手を伸ばした時、
その手が届く所にいたい。。。。。。。

希望は簡単に捨てちゃいけないと、思った。

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非公開コメント

No title.

心身ともここまで来てるなら、酒を絶つ以外にありませんね。
廃人か、命を失うかです。
ご主人も再度入院の覚悟しつつあるように思えますが。
入院が最善の策ですが、その間に気付いて、考えが変わっていけばいいですね。

yamadagaga様

お立ち寄り、ありがとうございます。

ご指摘のように、
夫は、再入院の可能性も視野に入れているのかもしれません。
その方向に進んでくれることを祈るばかりですが……。

期待し過ぎないよう、自重しております。


No title

数週間でもご主人を一人にしたほうがよいと思います

fuku 様

お立ち寄り、ありがとうございます。

何度も頭に浮かんだのですが、
まだ、実行していないのです。。。。。

距離を置くことで、新しい展開があるとは思うのですが……。
プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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