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カウントダウン

平日は、ウイスキーの小瓶を1本、
週末は、それ以上、体に流し込んでいるのだろう。

自分では、調節して飲んでいるつもりらしいが、
毎週末の醜態には閉口する。

夜中にトイレを探して徘徊した夫は、
用が済むと、力尽きたのか、廊下で寝ていた。

熱帯夜なので、布団より床の方が涼しいかもしれない。
バスタオルを一枚、腹の上に乗せておいた。


ずっと前に、どこかで読んだ話が、ふっと浮かんだ。

それは、結婚後、
どんどん太っていった夫の体を心配する妻が、
夫にダイエットを勧めるのだが……。

仕事柄、外食が多い夫は、減量には消極的で、
相変わらず、暴飲暴食の日々が続いていた。

ぶくぶくと膨れて、別人のように変わってしまった夫。
その寝顔を見ながら、妻はそっと囁いたのだった。

「よかった。 寝顔は、おんなじ、
 昔の夫のままだわ。 よかった」

妻の夫をいとおしむ声は、夫の耳に届いていた。
夫は、寝たふりをしていたのだ。

この時、夫は減量を決意し、そして、成功した。

酒に飲まれて、痩せ細り、
別人のように変わってしまった私の夫。

「よかった。 寝顔は……」

こんな所で、飲んだくれて、転がっている夫に、
呟いたところで、酔っ払いの耳には届かないだろう。

だから、夫が断酒を決意し、
成功することもないように思えて……。

カウントダウンの鐘の音が聞こえてくるようで……。

学生時代、夫はキックボクシング部に所属していた。
あの不屈の精神は、どこへ行ってしまったのだろう。。。。。

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非公開コメント

いつも、ご苦労様です。アルコール依存症を発して
離婚、破産を経験した者です。
うまくは言えませんが、
まずはあなたがあなた自信を大切にして下さいね。切に願います。

無題

私は断酒中のアルコール依存症者です。
ブログ主様はアルコール依存症とその対処の仕方を大変正しくご理解されておられると感嘆しております。
その上で、私が依存症者として考えたことをコメントさせて下さい。

私は危機的なアルコール依存症者に『決して隠れ飲みをさせてはいけない』というのが持論です。

酒をどんどん飲ませ、『早め』に生か死かの選択をさせる方がいいと思うのです。
生か死かの選択を『先送り』にしても、死に近づいていることに変わりはないのですから。
(目の前で飲まれたくないなら別居するしかないです)
死を選び酒を断たない人の方が圧倒的に多いのは、
危機的なアル依存症者とは、酒を断つより『死の方が楽』な状態まで行ってしまったからです(脳の状態です)。
だからこそ、どんどん飲んで『早めに』死を突き付けられた方が、少しは生(=断酒)に近づく可能性があるのです。賭けですが。
差し出がましく残酷なコメントで申し訳ございません。

奥さん、頑張ってとしかいえない・・・。

 依存症が併発する深刻な病状は、60代の人ではほとんどいなくなるというデーターを思い出しました。

 脱出する決意をして貰えなければ、秒読み態勢になるのを痛感してらっしゃるように思え、ただ、歯痒い思いに、やるせなさを感じます。何とか、ご主人に断酒の決意を抱かせることが出来ないものか・・・AAとかはどうなんでしょう・・・・・。

?様

?様も、大変つらい経験をなさったのですね。

心のモヤをブログに書くことで、気を紛らわせております。
そんな中、
私の事を気遣って下さるお言葉に出会い、心癒される思いです。
ありがとうございます。

匿名様

酒を断つより「死の方が楽」……昨今の夫は、
まさに、その通りの状態です。
ヤケになっている夫に、かける言葉がありません。

的確なアドバイス、ありがとうございます。
断酒されている方のお言葉は、重みがあり、心強いです。

まだ、夫にも、断酒の可能性が残されていると思うと、
小さな希望が湧きます。

アルコリック様

ご心配、お掛けしております。

11月、夫は52歳になります。
アルコール依存症の平均寿命と聞いております。

おそらく、夫は、断酒には背を向けたまま、
死ぬまで飲み続けるのでしょう。

閉ざした夫の心は、開きそうもありません。。。。
プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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