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底なし沼

朝、いつものように洗顔した夫は、
しばらく鏡とにらめっこしていたようだ。
顔を拭いたタオルに血が付いていたのだ。

「また、出てる」

いぶかる夫の顔を覗き込むと、
小鼻のほくろから、血がにじみ出ていた。

ほくろが目立つことを気にしていた夫は、
地元の皮膚科に相談に行った。
すると、大至急、大病院へ行くようにと、
紹介状を持たされて帰って来た。

二人で地元の総合病院へ向かった。
診察の結果、皮膚がんであることが濃厚となり、
検査のため皮膚の一部が切り取られた。

皮膚がんならば、がんの部分を大きめに切除し、
その傷跡に皮膚移植するという手術になるそうだ。
2~3週間の入院治療が必要らしい。

次から次から、病気がやって来る。
不安は、飲酒を加速する。

アルコール依存症治療病院を退院した当初は、
禁酒や節酒でやり過ごしていた夫だったが……。

早々に、止まらない飲み方に逆戻り。
またしても、底なし沼に足を踏み入れて……。

酒をやめることなんて絶対絶対無理。
そんな夫の確信が、私にも伝染する。

夫の回復を信じる気持ちが薄れていく。。。。

アルコール漬けじゃ、手術も見送りだろうなぁ。
いったい、夫はどうなってしまうのだろうか。


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頑張ってください

見てます、応援してます。
私も大酒飲みです。
旦那さんなにかお酒以外に楽しめる事が見つかるといいですね。

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フォアグラ 様

お立ち寄り、ありがとうございます。

応援の言葉を頂き、恐縮ではございますが、
近々、ブログを終わりにしようと思っております。

げ…様

ありがとうございます。

夫は本能的に優しさの神経回路を持っている人でした。
子ども好きで、お年寄りには優しくて……。

夫の病気で大変な思いもしましたが、
本物の優しさがあったから、
夫の側に居続けたんだと思います。

ただ、病気が多過ぎました。。。。。

プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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