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繰り返しながら

夫は4人部屋で入院していた。
斜め向かいのベッドで寝起きする男性の動向が、
夫の癇に障っているようで……。
ストレスが半端ないと、訴えていた。

あげく、部屋を変えてもらいたいと、
わがままなことを口に出す始末。

病院はホテルではないのだから、
個人の快適を求めるには無理があるのに……。

「あいつと同じ部屋では夜眠れないから、
 自宅に帰って寝て、朝起きたら病棟に戻る」

意味不明な事まで言い出した夫は、
その後、2泊3日の外泊許可を取り、
隠し持った酒瓶と一緒に家に帰って来た。

。。。飲むための一時帰宅か。。。。。

夫に言いたいことは山ほどあったが、
私は気付かぬ振りをして平静を装っていた。

夫は飲んでしまったことを私に打ち明けると、
病院に電話を入れ、すぐに病棟に戻って行った。

外来や入院を繰り返しても良い。
 繰り返しながら、回復していけばいい


ほんの数週間前、入院先の家族向けの講演会で、
医師のその言葉に救われた私は、
あわてず、あせらず、あきらめずの心で
夫の成り行きを見守っていこうと思った。

数日、反省室?の個室で過ごした夫は、
またもとの4人部屋に移ることになった。

ストレスの原因と思い込んでいる入院患者と
再び同室で過ごすことに絶望したのか???

夫は、ベッドの上に立ち、
床に置かれてあった硬いシート?に
頭から突っ込んだそうだ。
その衝撃音で、看護師が駆けつけると、
夫は針金ハンガーで自身の首を絞めるような
行為に及んで激しく暴れたそうだ。

男性看護師らに取り押さえられ、
任意入院は保護観察入院に切り替えられ、
夫は施錠された個室へと移動になった。

立ち会った当直医師からの電話で
事の経緯を伝えられた時、
2年前のK病院での保護観察入院が頭に浮かんだ。

「また、やらかしたか。。。。」

私の驚きは思いのほか、小さかった。
病棟内で死ぬのは簡単ではない。

衝動的な自殺念慮の行為は、
ままならない苦しみのはけ口のように思えた。
死にたいんじゃなくて、生きていたいんだと思う。

翌日、病院に出向き、主治医から説明を受けた。

夫には気分障害があるようなことを言っていた。
自殺行為をしたことで、
今は一時的にストレスが収まっている状態らしい。
落ち着きを取り戻してはいるが、
依存症以外の病気が隠れているかもしれないとの事。
認知や躁鬱を調べるための検査を進めていくそうだ。

外来や入院を繰り返しても良い。
 繰り返しながら、回復していけばいい


夫には夫のペースがあるのだ。
大丈夫、いずれきっと良い方に向かう。

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小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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