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病棟の人たち

1時間半かけて、電車とバスを乗り継ぎ、
頻繁に夫を見舞った。

院内の売店では、品数は限られていたので、
夫の希望する物を買い揃えては、持参した。

アルコール依存症患者の入院病棟なので、
どうしても、アル中、酒乱という先入観にとらわれて……。

一癖も二癖もありそうな人が、ウロウロしているような、
独特な異空間を想像していたが……。

病棟の出入り口用のドア近くにいたお兄さんは、
荷物で両手がふさがっている私に気付くと、
すぐに、手動の扉を開け、
「荷物をお持ちしましょうか?」と、気遣ってくれる。

ナース室前の掲示板を眺めていると、
通りかかったおじいさんが立ち止まり、
穏やかに話しかけて来る。

お酒の毒が抜けている彼らは、心優しく、人懐こい。

みんな、お酒で、体を壊し、心を壊し、
あちこちの病院を回って、ここに、たどり着いたのだ。

みんな、ここで、良くなってほしい。
まだまだ、人生を終わらせるには早すぎる。

アルコール依存症になってしまったら、
もう二度と「普通に適量を飲む」ことは出来ないそうだ。
でも、
飲まずに「普通に生活する」ことは出来るという。

夫が、本気で病気と向き合い、
克服してくれることを祈るばかりだった。。。。。。

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プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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