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愚問

往生際が悪いのは、
酒を断ち切れない夫だけではない。
夫に見切りを付けられない私も、然り……。

「お酒の問題でお困りのご本人、ご家族…
 ……どうぞ、お気軽に ご来場ください」

ネットで見た断酒会のスケジュール表には、
酒害相談の日時が記されていた。

以前から、そのサイトを閲覧し、
気になっていたが、まだ一度も行っていない。

「お気軽に……」と、謳っている。

夫のことを聞いてもらいたい一心で、
私は、地図を頼りに会場へ向かった。

相談は、断酒会の方が担当していた。
幾多の苦難を乗り越え、
飲まない生き方を実践している人たちだ。

勧められるままに、私は思いの丈を喋った。

今回の入院も、飲める体に戻しただけで、
酒をやめる気はないらしい。。。。

退院して、すぐの飲酒再開なので、
裏切られた思いが強くて、虚しい。。。。

最近は、毎日のようにAAに出掛けているが、
隠れ飲酒は止まっていない。。。。

AAに行くことは、断酒している振りかも。。。。

夫に回復の見込みがあるのだろうか。

私が側にいることが、
夫を回復から遠ざけてしまっているのだろうか。

答えの出るはずもない愚問を投げかけ、
あげく、感情が高まり、涙ぐんでしまった。

「必ず、断酒できます。
 今は飲んでいても、
 病院と自助会に繋がっていれば、大丈夫」

体験者の言葉は、力強い。

「ただし、時間はかかります。
 私は、断酒会に行くようになっても、
 こっそり飲み続けていました。
 完全に断酒するまで、8年かかりました」

その間、彼の奥さんも断酒会に通い続け、
彼の回復を見届けたのだそうだ。

結婚生活の中で、今がいちばん幸せと、
はにかむ彼の笑顔は素敵だった。

「自助会に繋がっていれば、大丈夫」
彼は、自助会の大切さを力説していた。

通い続けること、そこで、話を聞くことで、
いつしか、メンバーの話にほだされて、
自分も飲まない生き方が出来るようになっていく。

自助会には、そんな不思議な力があるらしい。

夫は、飲んでいる。
でも、AAに通い、分かち合いの時間を過ごしている。

飲んではいるが、控え目である。
小さな小さな変化が芽生えているのかもしれない。
そう思うと、だいぶ心が落ち着く。

やっぱり、私は単細胞だ。
悩み続けるのは、性に合わない。
自分の適当さ、お気楽さのお陰で、まだ夫の側にいる。

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更新がないのは、
小吉さんが心穏やかに過ごされて
いると信じたいとこです。

少しずつ、少しずつ。

40回、入退院を繰り返して
生還?した人を知ってます。

NoTitle

お久しぶりです。
追い込まれれば立ち直るのに大変です。
世の中いろんな人がいます。
同情します。
時間が解決します。

ハニハニ様

書きたいことは、山ほどあるのに、
あることがきっかけで、書けなくなってしまいました。。。。

「少しずつ、少しずつ。」は、
私の心を穏やかにして下さいます。

ハニハニ様の優しい心遣いに、救われます。
本当に、ありがとうございます。

yamadagaga様

私が、へこたれそうになると、
いつも励まして下さり、ありがとうございます。

ひとこと、ひとことが有り難く、
涙ぐんでしまいました。

本当にありがとうございました。
プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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