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花に託す

花のある暮らしは素敵だけど、
生花は高価、我が家には贅沢品なのだ。

だから、ひと様へのプレゼントと墓参り以外で、
切り花を買い求めることは、ほとんど無かった。

夫が酒に飲まれて、おかしくなっていき、
殺伐とした空気が家中に充満して……。

気が付けば、ため息の嵐。

そんな折、いつものスーパーで、
いつもは素通りする花売り場で足が止まった。

きれいだなぁ~と見とれて、花束を衝動買い。

キッチンの水回りには小さく、
玄関には大きく飾ってみた。

ついでに、夫の部屋にも、そっと置いてみた。

この部屋で、病気の身体が欲するままに、
夫は、延々と隠れ酒を続けていた。

『心配してますよ。。。。。』

物言わぬ花に思いを託したが……。

酒を飲むことに忙しい夫に、
花を見る余裕は、なかったのかもしれない。

でも、手頃な値段の物を探して、
ずっと、切らさず飾り続けている。

P1060966.jpg

花は、私の心に落ち着きを与えてくれる。
花を眺めているだけで、
今にも爆発しそうな夫への不平不満が、
我慢できるくらいの大きさに納まるから、不思議だ。

今、夫は入院中なので、
私は満開の花と一緒に留守を守っている。

夫がいないので、ひとり暮らしだ。
ひとり分の食事作りは、難しい。
いつまでも、同じおかずが冷蔵庫に居座っている。

『早く元気になって下さいよ。 今度こそ。。。
と、花に拝んでいる私がいる。

でも、回復を信じる気持ちとは裏腹に、
期待してはいけない、信じすぎてはいけないと、
戒めている、もう一人の私もいる。。。。。
プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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