退院してから3カ月余りで、
また、この病院に舞い戻って来たのだ。
少しも、断酒できていない。。。。。
入院初日、夫の担当と名乗る看護師が挨拶に来た。
私は、お恥ずかしいやら情けないやらで、
病室の隅で、気まずく恐縮していた。
「また、お世話になることになりまして……。
ご面倒をお掛けしますが……。
どうぞ、よろしくお願いします。。。。。」
看護師さんは、うら若き女性だった。
「他の病院ではなく、
よく、この病院に来て下さいましたね。
また、ここで治療しようと、
よく決心してしてくれましたね。
戻って来てくれて、本当に良かったです。
お身体、治していきましょうね」
にこにこと優しい笑顔で、迎えてくれた。
「実は、もう、入院は3回目なのです。
今度こそ、うまくいくといいのですが……」
私が、夫をたしなめるような言い方をすると、
「今までの入院も、決して無駄にはなっていませんよ。
経験は味方ですから……。
ここで、専門の治療を受けて、
回復へと繋げていきましょうね」
看護師さんの温かい歓迎の言葉に、
夫は、目を潤ませ、声を詰まらせていた。
やっぱり、ここに戻って来てよかった。
今度こそ、改心して、
夫は飲まない生き方を目指すかもしれない。
離脱症状で、夫の手や体は小刻みに揺れ始めていた。
でも、私は、治療へと繋がったことに安堵していた。

そして、入院5日目、
離脱症状も落ち着いた頃かと思っていたが……。
夫は、病室で不満を増大していたのだった。
「明日、退院する。
ここにいたら、ストレスがたまるばかりで……。
看護師同士の申し送りが出来ていなくて、
俺の話は、全然伝わってないし……。
俺は、何度も同じことをしゃべらされて……。
尋ねているのに、回答は看護師ごとにバラバラで、
今日も別の看護師と衝突した。
もう、いやだ。 ここにいたくない。 我慢の限界だ!!」
夫はキレてしまった。
入院生活に不自由さは付きものだ。
病人といえども、ある程度の我慢は必要だと思う。
看護師さん達は、皆、忙しく大変なのだ。
夫ひとりだけを看ているわけではないのだ。
あぁ、また、夫のわがままが始まった。
自分のことしか、自分の都合しか頭にない。。。。
時計は、夜の12時を回っていた。
夫が家にいないので、私は高枕を満喫していたのだ。
その寝入りばなを叩き起こされ、
自主退院の話なんて……夢なら、覚めて欲しい。
私は、ただただ、夫の話に相槌を打ち続けていた。
「そうなんだ」「そうだね」「わかった」。。。。。。。。
夫の気が済むようにすればいい。
私が、じたばた騒いだところで、どうなるものでもない。
電話を切った後、
「勝手にしやがれ!! おバカじじい!!」と、
毒突くと、何だかスッキリしてしまい、すぐに眠れた。
一筋縄ではいかない夫と暮らすうちに、
したたかさが身に付いて……。
夫婦は、似て来るものだなぁ~。
影響力、恐るべしである。
また、この病院に舞い戻って来たのだ。
少しも、断酒できていない。。。。。
入院初日、夫の担当と名乗る看護師が挨拶に来た。
私は、お恥ずかしいやら情けないやらで、
病室の隅で、気まずく恐縮していた。
「また、お世話になることになりまして……。
ご面倒をお掛けしますが……。
どうぞ、よろしくお願いします。。。。。」
看護師さんは、うら若き女性だった。
「他の病院ではなく、
よく、この病院に来て下さいましたね。
また、ここで治療しようと、
よく決心してしてくれましたね。
戻って来てくれて、本当に良かったです。
お身体、治していきましょうね」
にこにこと優しい笑顔で、迎えてくれた。
「実は、もう、入院は3回目なのです。
今度こそ、うまくいくといいのですが……」
私が、夫をたしなめるような言い方をすると、
「今までの入院も、決して無駄にはなっていませんよ。
経験は味方ですから……。
ここで、専門の治療を受けて、
回復へと繋げていきましょうね」
看護師さんの温かい歓迎の言葉に、
夫は、目を潤ませ、声を詰まらせていた。
やっぱり、ここに戻って来てよかった。
今度こそ、改心して、
夫は飲まない生き方を目指すかもしれない。
離脱症状で、夫の手や体は小刻みに揺れ始めていた。
でも、私は、治療へと繋がったことに安堵していた。

そして、入院5日目、
離脱症状も落ち着いた頃かと思っていたが……。
夫は、病室で不満を増大していたのだった。
「明日、退院する。
ここにいたら、ストレスがたまるばかりで……。
看護師同士の申し送りが出来ていなくて、
俺の話は、全然伝わってないし……。
俺は、何度も同じことをしゃべらされて……。
尋ねているのに、回答は看護師ごとにバラバラで、
今日も別の看護師と衝突した。
もう、いやだ。 ここにいたくない。 我慢の限界だ!!」
夫はキレてしまった。
入院生活に不自由さは付きものだ。
病人といえども、ある程度の我慢は必要だと思う。
看護師さん達は、皆、忙しく大変なのだ。
夫ひとりだけを看ているわけではないのだ。
あぁ、また、夫のわがままが始まった。
自分のことしか、自分の都合しか頭にない。。。。
時計は、夜の12時を回っていた。
夫が家にいないので、私は高枕を満喫していたのだ。
その寝入りばなを叩き起こされ、
自主退院の話なんて……夢なら、覚めて欲しい。
私は、ただただ、夫の話に相槌を打ち続けていた。
「そうなんだ」「そうだね」「わかった」。。。。。。。。
夫の気が済むようにすればいい。
私が、じたばた騒いだところで、どうなるものでもない。
電話を切った後、
「勝手にしやがれ!! おバカじじい!!」と、
毒突くと、何だかスッキリしてしまい、すぐに眠れた。
一筋縄ではいかない夫と暮らすうちに、
したたかさが身に付いて……。
夫婦は、似て来るものだなぁ~。
影響力、恐るべしである。