口は禍のもとだ。
私には、まだまだ我慢が足りない。
病人相手に感情的になってしまうのは良くない。
娘に連れられて、大阪・京都を旅し、
夫から解放されて、夢のようなひと時を過ごした。


帰宅して、現実に引き戻された。
2泊3日の留守中、
過剰な飲酒が繰り返されていたようだ。
洗濯機の近くに山積みされたパンツは、
どれも汚物付きで、悪臭が漂っていた。
着替えのパンツや寝間着は底をつき、
夫は、夏用のパジャマをだらしなく着用していた。
何とも哀れな姿だが、口だけは達者で、
注文の多い暴君振りは健在だった。
旅の楽しさが一気に吹き飛んでしまい……。
小間使いのように私を呼び立てる夫に対して、
腹立たしさを覚えて、嫌味を並べてしまった。
病人の暴走する言動に、まともに乗って、
ののしり合いが止まらない。。。。。。
アルコール漬けの夫は挑戦的で、
鬼のような形相だった。
「あぁ~あ、帰って来るんじゃなかった!」
「だったら、出て行け!!」
「催促されなくても、
時期が来たら、ちゃんと出て行きますから……」

娘が清水寺で買い求めた父へのお土産を
私が預かり、持ち帰った。
音羽の滝の霊水は、延命長寿水、諸願成就水だ。
「ご利益のある水だから、
パパに飲んで欲しいって、言ってましたよ」
夫は、その容器をちらりと見ただけで、
手に取ることもなく、自室へと引き返し……。
その扉を強く閉める音が私の耳に突き刺さった。
京都の寺や神社を回り、
娘とふたり、父親の回復、夫の回復を
どんだけ、願掛けしたかも、ご存じなく……。
夫は、酒だけを抱えて、
酒だけを頼りに生きている。
夫はそういう生き方しか出来ないのだ。
そう思うことで、私は平静を装っている。
おみくじは、正直だ。
私の運は、凶だった。
大吉を引いた娘が、
2枚合わせて、一緒に結んでくれた。
「大丈夫。 足して2で割れば、
丁度いい『運』になるからネ」
夫の今までの大量飲酒を思えば、
これから先、一滴も飲まないことで、
丁度いいのになぁ~。
願いは伝わらない.。。。。。。。
私には、まだまだ我慢が足りない。
病人相手に感情的になってしまうのは良くない。
娘に連れられて、大阪・京都を旅し、
夫から解放されて、夢のようなひと時を過ごした。


帰宅して、現実に引き戻された。
2泊3日の留守中、
過剰な飲酒が繰り返されていたようだ。
洗濯機の近くに山積みされたパンツは、
どれも汚物付きで、悪臭が漂っていた。
着替えのパンツや寝間着は底をつき、
夫は、夏用のパジャマをだらしなく着用していた。
何とも哀れな姿だが、口だけは達者で、
注文の多い暴君振りは健在だった。
旅の楽しさが一気に吹き飛んでしまい……。
小間使いのように私を呼び立てる夫に対して、
腹立たしさを覚えて、嫌味を並べてしまった。
病人の暴走する言動に、まともに乗って、
ののしり合いが止まらない。。。。。。
アルコール漬けの夫は挑戦的で、
鬼のような形相だった。
「あぁ~あ、帰って来るんじゃなかった!」
「だったら、出て行け!!」
「催促されなくても、
時期が来たら、ちゃんと出て行きますから……」

娘が清水寺で買い求めた父へのお土産を
私が預かり、持ち帰った。
音羽の滝の霊水は、延命長寿水、諸願成就水だ。
「ご利益のある水だから、
パパに飲んで欲しいって、言ってましたよ」
夫は、その容器をちらりと見ただけで、
手に取ることもなく、自室へと引き返し……。
その扉を強く閉める音が私の耳に突き刺さった。
京都の寺や神社を回り、
娘とふたり、父親の回復、夫の回復を
どんだけ、願掛けしたかも、ご存じなく……。
夫は、酒だけを抱えて、
酒だけを頼りに生きている。
夫はそういう生き方しか出来ないのだ。
そう思うことで、私は平静を装っている。
おみくじは、正直だ。
私の運は、凶だった。
大吉を引いた娘が、
2枚合わせて、一緒に結んでくれた。
「大丈夫。 足して2で割れば、
丁度いい『運』になるからネ」
夫の今までの大量飲酒を思えば、
これから先、一滴も飲まないことで、
丁度いいのになぁ~。
願いは伝わらない.。。。。。。。