「いつまでも、親の側で甘えてるんじゃない。
さっさと、家を出て、自立しろ!!」
いらいら八つ当たりする時の夫の口癖だった。
「出て行ってくれ!!
いつまで家にいるつもりなんだ!!」
契約社員の息子は、経済的に苦しく不安定だ。
でも、安眠できない家で暮らすよりマシと考え、
夫には相談せずに、息子と二人で、
安い1Kのアパートを探し回り、契約した。
夫の誕生日が過ぎた週末、
息子は、こっそりと引っ越しした。
夫の希望通りに事が運んだのだ。
なんの文句があるというのか。
息子の姿がない家で、
ますます、夫は機嫌が悪い。
「稼ぎもないのに、部屋を借りて、
あいつは、やっていけるのか!!」
「パパが出て行けと言ったんでしょ。
今更、心配することもないでしょ。
もう、あの子が決めたことなんだから……」
確かに、見切り発車のひとり暮らしだ。
しかも、生まれて初めての……。
私が、箱入り息子に育ててしまったのだ。
夫の心配は私の比ではない。
誰よりも、息子の暮らしを案じている。
息子に、付いて行きたいくらいだ。
でも、母親が付きまとい、
息子の生活を邪魔するわけにはいかない。
大酒飲みの夫を選んだのは、私だ。
酒に取り付かれ、変わり果ててしまっても、
まだ私の夫である。
体中が、酒毒でボロボロで、痛い所しかない。
神経は、絶えずピリピリしていて、
私へのあら探しが止まらない。
意地悪く、しつこく、責め立てて来る。
元気な酔っ払いなら、
とっとと、置き去りにして、
本人の目覚めを待ちたいところだが……。
今の夫は、立ち直るどころか、
自滅してしまう勢いなのだ。
夫を一人残して、家を出るには、
時期を逸してしまったように思えて……。
臆病風に吹かれたまま、
私は夫の周りをうろうろしている。
ただ、地獄の道連れは、私一人でいい。
娘は嫁いだ。
心優しい伴侶を得たので、一安心だ。
息子も、自立への一歩を踏み出した。
これ以上、親の病気に巻き込まれることなく、
自分の人生を第一に考えて、生きて欲しい。
私のやり方は、生温いのかもしれない。
結局、私も夫も、半人前ということなのだ。
一人じゃ生きていけないから……。
だから、文句を言い合いながらも、
まだ、いっしょにいるんだと思う。。。。。
さっさと、家を出て、自立しろ!!」
いらいら八つ当たりする時の夫の口癖だった。
「出て行ってくれ!!
いつまで家にいるつもりなんだ!!」
契約社員の息子は、経済的に苦しく不安定だ。
でも、安眠できない家で暮らすよりマシと考え、
夫には相談せずに、息子と二人で、
安い1Kのアパートを探し回り、契約した。
夫の誕生日が過ぎた週末、
息子は、こっそりと引っ越しした。
夫の希望通りに事が運んだのだ。
なんの文句があるというのか。
息子の姿がない家で、
ますます、夫は機嫌が悪い。
「稼ぎもないのに、部屋を借りて、
あいつは、やっていけるのか!!」
「パパが出て行けと言ったんでしょ。
今更、心配することもないでしょ。
もう、あの子が決めたことなんだから……」
確かに、見切り発車のひとり暮らしだ。
しかも、生まれて初めての……。
私が、箱入り息子に育ててしまったのだ。
夫の心配は私の比ではない。
誰よりも、息子の暮らしを案じている。
息子に、付いて行きたいくらいだ。
でも、母親が付きまとい、
息子の生活を邪魔するわけにはいかない。
大酒飲みの夫を選んだのは、私だ。
酒に取り付かれ、変わり果ててしまっても、
まだ私の夫である。
体中が、酒毒でボロボロで、痛い所しかない。
神経は、絶えずピリピリしていて、
私へのあら探しが止まらない。
意地悪く、しつこく、責め立てて来る。
元気な酔っ払いなら、
とっとと、置き去りにして、
本人の目覚めを待ちたいところだが……。
今の夫は、立ち直るどころか、
自滅してしまう勢いなのだ。
夫を一人残して、家を出るには、
時期を逸してしまったように思えて……。
臆病風に吹かれたまま、
私は夫の周りをうろうろしている。
ただ、地獄の道連れは、私一人でいい。
娘は嫁いだ。
心優しい伴侶を得たので、一安心だ。
息子も、自立への一歩を踏み出した。
これ以上、親の病気に巻き込まれることなく、
自分の人生を第一に考えて、生きて欲しい。
私のやり方は、生温いのかもしれない。
結局、私も夫も、半人前ということなのだ。
一人じゃ生きていけないから……。
だから、文句を言い合いながらも、
まだ、いっしょにいるんだと思う。。。。。