11月7日は、夫の誕生日だった。
嫁いだ娘も、父へのプレゼントを携えて、
家に戻って来た。
バースデー・ケーキには、53歳分のろうそく。
体調の悪い夫は、口数も少なく、
用意されたご馳走を半分ほど食べると、
そそくさと自室に引き上げてしまった。
これまでで、いちばん地味な、お誕生日会だった。
娘が泊まりに来ているのに、
夫は部屋に籠り、ほとんど顔を出さない。
娘とのお喋りを楽しんでいると、
苛立出しく私を呼び付ける夫の声が……。
中途半端にアルコールが入っているようで、
小さなわがままが目立つ。
父の命令に服従し、
家の中を行ったり来たりする母の姿を、
娘は哀れに思ったのかもしれない。
後日、娘から、長い長い携帯メールが届いた。
『パパのこと、
どうしていったらいいかは、 本当に難しいけど、
このままじゃママが辛すぎると思う…
アタシはそっちの方が心配だよ。
ママは優しいから、逃げ出したくても
ギリギリまで耐えちゃうかもしれないけど、
ギリギリの一歩手前で方法変えてみるのもありだと思うよ。
それでも何も変わらないパパだったら、
本当に悲しいし悔しいけど、
期待してるこっちも、期待されてるパパも、
辛くなるだけだから、諦めるしかないよね。
冷たいかもしれないけど、試してみなきゃわかんないし。
まぁ、試した結果が最悪の方向だったらって考えると
本当に辛いけどね。
でもママが、もしパパと距離を置くことにしても、
ママは本当に優しいから、
見えないところのパパが心配で、そっちの方が気になって、
気持ちが休まらないかもしれないし…。
って考えると何が最善の方法なのか
全然わからなくなっちゃうんだけどね。
だから、一番パパと長くいて、
ずっと一緒に生きてきたママが決めた答えが、
やっぱり正しいんだと思う。
結局なんのアドバイスにもならないけど…。
でも、長くいたせいで情とか湧いちゃうし
見捨てられないって思う気がするから言うけど、
ママはもう充分頑張ったと思うよ。
ママは意外と、
いろんなことを途中で投げ出さない人だよね。
でも、今回のことは投げ出したうちに入らないと思うよ。
パパの復活とママの休養を兼ねてって思えばいいじゃん!
パパがやる気出したら、
また一緒に頑張ることだってできるし!
ママの行くとこなければ、うちに来ればいいし。
今まで、パパのやる気出させるために頑張ったじゃん。
でも、パパはやる気出ないじゃん?
だからこのままじゃ変わらないんだよ。
変わりたいと思っても変わり方わかんないんだと思う。
タイミングとか気持ちの整理とか。
今の状況じゃ踏み切れないんだよ。
パパにとっては全然極限じゃないんだよ。
今の状況で良くなれ、頑張れって言うのは、
もしかしたらパパにとっては酷なことなのかもしれないね。
本当に難しい選択だけど、
アタシはママに元気で楽しくいてほしいと思うから。
パパもそうだけど、
ママにとって最善の方法を選んでほしい。
急かすつもりも、
なんか行動しろって強要するつもりもないよ。
ただ思ったこと言っただけだから、ね。』
読みながら、途中、何度も文字が霞んでしまった。
娘から救いの手を差し伸べられて、私の心が癒されていく。
こんな娘を持って、私は本当に果報者だ。
大切なことは、軽々しく即断してはいけない。
冷静であることが重要だと思う。
最善の方法を模索している。
泣きながら読みました。
小吉さんの心が癒されていく、というところには泣きながら嬉しくて…
最後の冷静であること、と締めくくった小吉さんを、心底、応援しています。
極限ではないかも知れないというところは、よく見られていると思います。
ご主人にとって起死回生できるかもといういい意味でも、小吉さんにとってまだまだ苦労は続くと言う意味でもです。
娘さんのいるアル症は回復すると言う事を、香川県の三光病院市川先生がおっしゃられています。
決断は小吉さん次第ですが、ここまでされれば
後悔は無いものとしましょう。
心身ご自愛を。
いつも拝読させていただいていました。
香川県三光病院の市川先生のお名前が出てきたので、思わずメールしました。
先生は「本人が断酒会などの自助グループに参加しなくても、家族が断酒会に参加しなさい」とおっしゃっています。
私もその言葉に励まされて、一人で断酒会や研修会に参加しました。
同じ苦しみや悲しみを分かち合える人々がいてくれて、話を聞いてくれることでずいぶんと気持ちが楽になりました。
小吉さんの揺れる気持ちは痛いほどわかります。とにかくお身体だけは大切にと祈る気持ちです。
アルコール依存症の者です。(今は断酒中です。)
いつまで、温いことを言っているのですか?
ブログに模索中なんて、悠長に書いている感覚が信じられません。
娘さんも相当な決意でメールを送ったのことさえ、気がつかないのですか?
自分の本当の父親を見捨ててもいいとまで娘に言わせているんですよ。
小吉さんがいつまでも世話をしている限り、極限は一生来ません。
最善の方法をじっくりなんて言ってる余裕なんてありませんよ!
アル症患者に期待なんてしても本当に無駄です。
それでも、見守りたいなら、措置入院をさせて、あとは、一生病院で過ごせるようにするしかないですね。死ぬよりはましでしょ?
最終的には小吉さんが決めることですけど、息子さんと娘さんの精神的負担を軽くしてあげるのが最優先では?つまり小吉さんが旦那さんに振り回されない環境に逃げることです。旦那さんの体調はリハビリして回復といった段階を越えてると思います。重い肝硬変と糖尿病、不可逆の瀕死の状態です。入院させたり看病すればするほど、苦しむ期間が長くなります。お子さん達にしてみれば、母親まで共倒れになることはなんとしても避けたいと思ってるはずです。早めのご決断を。
とりあえず、息子さんはその環境から
解放してあげてください。
小吉さんとご主人に関しては
ある意味、どっちもどっちの自業自得です。
みかんです。
ご決断、迷われているようですね。
娘さんのメール。
読んでいて、うるっと来てしまいました。
小吉さん。
同じ女性として、言わせて頂きますが、小吉さんは、とても頑張っておられると思います。
もう十分、旦那様には、誠心誠意、尽くされてきていますよね。
娘さんの言うように、暫く離れて暮らされてみてはどうでしょう?
互いに一緒にいるから、甘えと未練が先に立ってしまって、その場で動けなくなってしまっているのですから、少しの間。
離れてみると、互いにとって、本当に必要な関係なのか、見えてくるかも知れませんよ。
小吉さんに、とっては、少しの間、離れて暮らす、暮らしてみる。という決断も、容易ではないのは、解ります。
でも、今の現状を少しでも、変えるには、やはり小吉さんが動くしかないように思います。
先日精神病院入院中の弟と面会してきました。
以前に比べると顔色も良く、体調も安定しているようでした。
ふと、アルコールについて聞いてみました。
さすがにもう飲みたいとは思っていないだろうと。
すると「自分がアルコール依存症だと認める。」「体調がいいせいか、天気がいい日は外でビールを飲んだら旨いだろう。飲みたいなと思うよ。」と言っているのを聞き、心底驚きました。
まだ40代で、老人ホームを経て精神病院に入院し、もう一生普通の生活を送ることはできないとわかっているはずなのに、その原因となったアルコールを今だに飲みたいと思うとは。
脳出血で倒れた昨年1月31日以降、一滴もアルコールを摂取していないのに、彼の脳は今だにアルコールを要求しているのかと。
脳出血により高次脳機能障害を発症し、記憶力、判断力、知能の著しい低下があるので、自分のおかれた状況を正しく理解していないということもありますが、自分がアルコールのせいで病気になったことはわかっています。
アルコール依存症の怖さをつくづく思い知らされました。
失礼ながら、ご主人様はもう短期の入院で回復できるという段階ではないのではないですか?
娘さん、息子さん、そして小吉様に一日も早く心の平和が訪れますよう、祈っております。
「パパの事を一番長く見守ってきたのは
ママだから...」と娘さんは仰ってますが、「パパを見守るママ」を一番長く見守ってきた同性は、娘さんです。
小吉さんからしたら、娘は娘、いつまでも
親の保護の元...と云う想いがおありかも
ですが、キャリアは違えど今は同じ妻の
立場。娘さんの言葉は、同じ女性として
の提案に感じます。
娘さんは「次はパパに孫を抱かせたい」
想いはおありだったと思いますが、
「だからママ、もう少し頑張って!」
とは仰っていません。
お誕生日会の事で腹を括られたのでは
ないでしょうか?
優しく情深く小吉さんの背中を見て
育った、同じく優しく情深い娘さんの
言葉は、小吉さんの背中をそっと押して
いる様に、私は感じました。
決断の時ではないですか?
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ご無沙汰してます。私の方はお陰様で断酒継続出来ています。小吉さんはご苦労されてますね。
身近に相談出来る方はいませんか?
別居も一つの選択肢として充分アリだと思いますよ。
今までと違う決断、行動をすることも時には必要だと思います。
すみません。もう一言だけ。
私は即断しなくて良いと思います。ご自身が納得する決断をされてください。
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ありがとうございます。
まだ、踏ん切りが付かず、
ずるずると、アル症の夫に寄り添い、生きております。
「娘さんのいるアル症は回復する…」
とても、嬉しくなる言葉です。
yamadagaga様のお心遣いのお陰で、
随分と、心が軽くなりました。
本当に、ありがとうございます。
tonko様にも、
アルコール依存症のご家族がいらっしゃるのですね。
ご心配いただき、
背中を押して下さるお声掛け、
本当に、ありがとうございます。
「アル症患者に期待なんてしても本当に無駄です。」
その通りなのですが、
万が一と思ってしまう自分がおります。
こんな甘い考えは、不要なのに……。
感覚の鈍さを恥ずかしく思います。
なかなか、決断が出来ずにおりますが、
「最優先」は、私の中でも、
キーワードになっております。
いろいろ、ご心配いただき、
ありがとうございます。
息子は、家を出て、
ひとり暮らしを始めました。
「少しの間、離れて暮らす、暮らしてみる」方向で、
段取りを少しずつ、進めてはいるのですが……。
なかなか、決行の日が定まりません。。。。。。
弟様も私の夫も、
もう、アルコールは毒にしかならないのに……。
飲みたい心は健在なのですから、
厄介すぎます。
私には、夫の飲酒を止める力はありません。
きっと、見捨てたことになるのでしょう。。。。。
特に最近は、
娘がいてくれて良かったと、思うことばかりです。
娘が話を聞いてくれるので、
私の心は軽くなるのですが……。
重い話を聞かされる娘の心を思うと、
申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
これ以上、娘を苦しめないためにも、
決断の時なのですね。
ありがとうございます。
グループには、興味があります。
お知恵を頂き、ありがとうございます。
たくさんご心配下さり、
本当にありがとうございます。
私の存在が、
夫を断酒から遠ざけているように思えて……。
距離を置くことをにおわせたら、
夫は「離婚だ」と、まくし立てております。
意図しない方向に、流されていくようで、
怖いです。。。。。
ありがとうございます。
こんなにもいっぱい、お気に掛けて下さり、
大変うれしく思っております。
私に出来ることと出来ないことの線引きが、
はっきりと見えて来ました。
「独りで覚悟を決めないとお酒には勝てなかった」
そういう環境を作ることが、急務のような気がしてきました。
気付きを下さり、ありがとうございます。
大好きなパパのことを、小吉様にそう言わなくてはならなくなった、娘様。
よほどの覚悟と勇気が必要だったことと思います。
できればそんなこと、言わなくていいようにして差し上げたいですよね。
みんなが心を痛めて、悩んで、悲しんで。。。
そんな娘様の心を少しでも感じていただきたいものですね。
すべて読ませていただきました、アル症の家族はどこも壮絶ですね。
離れる気配を見せると離婚を迫るのはあなたへの甘えの現れです。
ご主人様はあなたが居ればなんとかなる、なんとか繋ぎ留める為に「離婚だ!!」と喚く。
そして近所に迷惑なほどに大声を出せばあなたが来てくれると。
それはあなたが居ないとどうにもならないと分かっている証拠です。
あなたの気持ちは痛いほど分かります。
でも今ならまだ回復の道は有ると感じられます。
一度突き放すのが治療への近道だと行動を起こさなければいけない時だと思います。
どうか50代前半で若いのですから回復が望める内に大英断を下してください。
どんな結果になっても誰も小吉さんを責める事は出来ません。
私は前回の静脈瘤破裂で緊急搬送されICUでベットに離脱で拘束、安定剤を注射、点滴・輸血・尿道カテーテルにつながれてる夫を見下ろしながら本気で「とっとと居なくなればいい」と言っていました。
今はなんとか断酒していますが(私はお酒の事は管理していません)
酒を飲むなら「さっさ居なくなって」これから私の人生の邪魔をしないでと思っています。
アルコール漬けの夫は、
自分本位のものの見方しか出来ません。
変貌する父親を目の当たりにして、
子ども達の苦しみと悲しみは計り知れません。
すまない気持ちでいっぱいです。。。。
いろいろ案じて下さり、
本当にありがとうございます。
「私の人生の邪魔をしないで」
心に響きます。
梅様の落ち着いた心構え、
見習いたく存じます。