娘の結婚式が終わり、ほっとしたのも束の間。
いよいよ、夫の退院が数日後に迫って来た。
夫は、病院での様子を殆ど語らない。
治療プログラムを淡々と消化しているようだが……。
どの程度、回復しているのか、不透明だ。
どんなあんばいか尋ねても、
漠然とした答えしか返って来ない。
「治療プログラムの内容が一新されていて、
3年前の入院時とは、だいぶ違うなって感じ。
院長が変わったからかなぁ~」
3年前は、退院後、
3か月足らずで飲酒再開になってしまった。
新しいプログラムで、断酒への道が
強化することを祈るばかりだが……。
娘の結婚式での酒に対する警戒の薄さに、
私は不安を覚えてしまったのだ。
式場へは、マイカーを利用した。
入院中の夫は車の運転禁止なので、
ドライバーは息子にお願いした。
酒が溢れる会場で、家族だけは飲まないで、
治療中の夫を見守ることにしたのだ。
乾杯の時、夫のシャンパングラスの行方が気になり、
ちらりと横目で様子をうかがった。
夫は、シャンパンをグイッと口に流し入れ、
しばらく味わってから、グラスに吐き戻していた。
飲み込まずに、かろうじて、第一関門を突破。
飲み物は、ソフトドリンクへ移行すると思われたが……。

酒類のドリンクを勧めに来た給仕に、
夫はノンアルコールビールを注文。
それをまず、ドライバーの息子に勧め、
自身も手酌でゴクゴク飲んでいた。
「やっぱ、不味いなぁ」
文句を言いながらも、
給仕に何回も、おかわりを頼んでいた。
入院先の病院では、
飲酒欲求を誘発するという理由で、
ノンアルコール飲料は禁止になっている。
現在治療中の夫が、それを知らないはずがない。
ノンアルコールビールを飲むのは、
まだまだ、酒を諦め切れないからだろう。
アルコールが入っていなくても、ビール味だ。
これが、呼び水になって、
本物が飲みたくなってしまうような気がしてならない。
入院前の修羅場が、まざまざと思い出されて……。
再び、同じ状況に陥る妄想に取りつかれてしまった。
夫を信じたい気持ちと疑う気持ちが入り混じって、
そのせめぎ合いは今も続いている。
私は、過敏になりすぎているのかもしれない。
夫が、どう出ても、動じない心を持ちたい。
私の心が不安定だと、
きっと、夫に悪影響を及ぼすと思うから。。。。。
いよいよ、夫の退院が数日後に迫って来た。
夫は、病院での様子を殆ど語らない。
治療プログラムを淡々と消化しているようだが……。
どの程度、回復しているのか、不透明だ。
どんなあんばいか尋ねても、
漠然とした答えしか返って来ない。
「治療プログラムの内容が一新されていて、
3年前の入院時とは、だいぶ違うなって感じ。
院長が変わったからかなぁ~」
3年前は、退院後、
3か月足らずで飲酒再開になってしまった。
新しいプログラムで、断酒への道が
強化することを祈るばかりだが……。
娘の結婚式での酒に対する警戒の薄さに、
私は不安を覚えてしまったのだ。
式場へは、マイカーを利用した。
入院中の夫は車の運転禁止なので、
ドライバーは息子にお願いした。
酒が溢れる会場で、家族だけは飲まないで、
治療中の夫を見守ることにしたのだ。
乾杯の時、夫のシャンパングラスの行方が気になり、
ちらりと横目で様子をうかがった。
夫は、シャンパンをグイッと口に流し入れ、
しばらく味わってから、グラスに吐き戻していた。
飲み込まずに、かろうじて、第一関門を突破。
飲み物は、ソフトドリンクへ移行すると思われたが……。

酒類のドリンクを勧めに来た給仕に、
夫はノンアルコールビールを注文。
それをまず、ドライバーの息子に勧め、
自身も手酌でゴクゴク飲んでいた。
「やっぱ、不味いなぁ」
文句を言いながらも、
給仕に何回も、おかわりを頼んでいた。
入院先の病院では、
飲酒欲求を誘発するという理由で、
ノンアルコール飲料は禁止になっている。
現在治療中の夫が、それを知らないはずがない。
ノンアルコールビールを飲むのは、
まだまだ、酒を諦め切れないからだろう。
アルコールが入っていなくても、ビール味だ。
これが、呼び水になって、
本物が飲みたくなってしまうような気がしてならない。
入院前の修羅場が、まざまざと思い出されて……。
再び、同じ状況に陥る妄想に取りつかれてしまった。
夫を信じたい気持ちと疑う気持ちが入り混じって、
そのせめぎ合いは今も続いている。
私は、過敏になりすぎているのかもしれない。
夫が、どう出ても、動じない心を持ちたい。
私の心が不安定だと、
きっと、夫に悪影響を及ぼすと思うから。。。。。