やっぱり、そう言うと思っていた。
「入院ヤダなぁ~」
入院予約日、早朝に目覚めた夫は、着替えたものの、
朝食は取らずに、また、ベッドに潜り込んでしまった。
足腰が弱っている夫に電車やバスでの移動は無理だ。
有休を取った息子が、車で連れて行く手はずになっていた。
「7時30分頃、出発するから」と、夫には伝えてある。
夫は、約束の時間に厳しい人だ。
遅刻を嫌うのに、この日ばかりは別人のようだった。
起きて来ない。
息子は車に乗って、待機している。
夫に声を掛けたが、返事もしない。
再度、出発の時間を告げると、
やっと起き上がり、ぐずぐずと身支度を整え出した。
出発予定時間から15分ほど遅れたが、
渋滞もなく走行できたので、病院には早めに到着した。
ここまでくれば、一安心。
もう、入院するしかないだろう。
夫が、病院の対応にキレて、
「帰る!!」と言い出さないよう祈るばかりだった。
処置室で呼気テストをした夫は、
「最後にお酒を飲んだのは?」と、看護師に聞かれ、
「昨日の夜かな。。。」と、か細い声で答えていた。
看護師の目は節穴じゃない。
「夜じゃないでしょ。 朝は、飲まなかったの?」
「朝、少し。。。。」
気まずそうに、夫は言い直していた。
この期に及んで、
まだ、自分の飲酒問題を小さくしようとしている夫。
本気で、治療する気があるのだろうか。
側にいた私も、
居たたまれない気持ちでいっぱいになったが……。
今はまだ、夫は病気の渦中にいるのだ。
これから、治療が始まり、夫は変わるのだ。
アルコールの毒が抜ければ、
本来の夫らしさが戻って来るだろう。
夫のこれからを信じよう。
大丈夫。 きっと、何とかなる。
入院への道が出来たことは、
一歩前進であり、家族の喜びなのだ。
夫のマイナス面を探すのは、やめようと思った。
入院病棟に案内され、ベッドを確認し荷物を納めた後、
私たちは、病院の敷地内を散策した。
やっぱり、いた。

3年前とは、メンバーが違うが、
野良猫や捨て猫たちが住みついている。
「今日から、ここで入院生活が始まるのよ。
パパをよろしく、頼むわね」

患者さんたちに優しくされているようで、
猫たちは、よく人に懐いていて、お行儀も良い。
猫を撫でていると、心が癒されていく。
「入院ヤダなぁ~」
入院予約日、早朝に目覚めた夫は、着替えたものの、
朝食は取らずに、また、ベッドに潜り込んでしまった。
足腰が弱っている夫に電車やバスでの移動は無理だ。
有休を取った息子が、車で連れて行く手はずになっていた。
「7時30分頃、出発するから」と、夫には伝えてある。
夫は、約束の時間に厳しい人だ。
遅刻を嫌うのに、この日ばかりは別人のようだった。
起きて来ない。
息子は車に乗って、待機している。
夫に声を掛けたが、返事もしない。
再度、出発の時間を告げると、
やっと起き上がり、ぐずぐずと身支度を整え出した。
出発予定時間から15分ほど遅れたが、
渋滞もなく走行できたので、病院には早めに到着した。
ここまでくれば、一安心。
もう、入院するしかないだろう。
夫が、病院の対応にキレて、
「帰る!!」と言い出さないよう祈るばかりだった。
処置室で呼気テストをした夫は、
「最後にお酒を飲んだのは?」と、看護師に聞かれ、
「昨日の夜かな。。。」と、か細い声で答えていた。
看護師の目は節穴じゃない。
「夜じゃないでしょ。 朝は、飲まなかったの?」
「朝、少し。。。。」
気まずそうに、夫は言い直していた。
この期に及んで、
まだ、自分の飲酒問題を小さくしようとしている夫。
本気で、治療する気があるのだろうか。
側にいた私も、
居たたまれない気持ちでいっぱいになったが……。
今はまだ、夫は病気の渦中にいるのだ。
これから、治療が始まり、夫は変わるのだ。
アルコールの毒が抜ければ、
本来の夫らしさが戻って来るだろう。
夫のこれからを信じよう。
大丈夫。 きっと、何とかなる。
入院への道が出来たことは、
一歩前進であり、家族の喜びなのだ。
夫のマイナス面を探すのは、やめようと思った。
入院病棟に案内され、ベッドを確認し荷物を納めた後、
私たちは、病院の敷地内を散策した。
やっぱり、いた。

3年前とは、メンバーが違うが、
野良猫や捨て猫たちが住みついている。
「今日から、ここで入院生活が始まるのよ。
パパをよろしく、頼むわね」

患者さんたちに優しくされているようで、
猫たちは、よく人に懐いていて、お行儀も良い。
猫を撫でていると、心が癒されていく。