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姉たち

糖尿病が悪化しているのだろうか?

「足先が氷のように冷たく、膝もしびれるように痛い」
夫は、頻繁に、足の不快を訴えるようになった。

足の痛みをかばうような歩き方で、無理が祟ったのか。
今度は、右足付け根が痛み出し……。
片足を引きずりながらの歩行になってしまった。

受診を勧めても、病院へは行こうとしない。

「どうせ、治らない。。。。。」が口癖になっていた。

そんな最中、2009年10月、
夫の姉2人が、我が家にやって来た。

もうすぐ2歳になる初孫を連れた姉は、愛知県から……。
高齢の母親の思いを託された姉は、山口県から……。

弟の具合を案じて、
新幹線を乗り継ぎ、遥々、訪ねてくれたのだ。

遠方であること、
手狭な賃貸マンションであることを理由に、
姉たちを招待したことは、今まで一度もなかった。

「泊る所の心配はいらないから……。
 一目、弟の顔を見たら、すぐに引き上げるから……」

姉たちは遠慮していたが、我が家に泊まってもらった。

姉の自慢の初孫は、
お喋り上手で、人懐こく、可愛い女の子だった。

夫にも、愛くるしい笑顔を振りまいて……。

「自分の孫は、かわいいけぇ、
 孫の顔を見るまでは、長生きせんと、いけんよ

言葉少なに語る姉に、
夫は、「あぁ」と、小さく頷いていた。

時間の許す限り、
横浜の観光スポットを車で案内した。
姉たちは思い出をいっぱい写真に収め、帰って行った。

「みんなに、心配かけちゃったね。
 孫に会えるまでは、生きていないとね。
 体、ちゃんと、治そうね」

姉たちの思いを代弁する私に、
やっぱり、夫は、「あぁ」と、小さく頷くだけだった。

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小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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