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回り道

身体の痛みは、容赦なく襲って来る。
家で寝ていても、一向に良くならない。

当たり前だ。
酒を身体に、だらだらと流し込んでいるのだから。

痛みからの解放を望むなら、
まずは、アルコールを抜くことだ。
それは、夫も分かっているらしい。
でも、そう簡単に、酒を断つことなど出来ないのだ。

先だって、夫は、アルコール性てんかんを起こした。
酒量をだいぶセーブしたことで、
けいれん発作の離脱症状が出てしまったのだ。

それはそれは、大変恐ろしい思いをしたそうで……。

以来、ある程度のアルコール量を保っておかないと、
また、けいれんが襲って来ると思い込んでいるのだ。

酒を抜くことの必要性は、私も夫も認識しているのに、
その治療となると、ずれが生じる。

依存症の専門病院での入院を取り消した夫は、
以前、急性膵炎で入院した総合病院を受診し、
そこでの入院治療をもくろんだのだ。

その病院の医師は、血液検査の結果を基に、
夫が毛嫌いしている専門病院での入院治療を勧めた。
内科の一般病棟に潜り込む策は、呆気なく断たれた。

あの専門病院だけは行きたくないと、
心を閉ざした夫のやけ酒が止まらない。

思い通りにならないイライラは、全て私に向けられた。
声を荒げて、私を罵倒する。
気にしないよう鈍感を装ったが、我慢の限界だった。

「これ以上、もう、無理。
 パパの面倒は看れないから。。。。」

私は、妻役放棄を申し出た。

「入院したい。。。他の専門病院なら行くから……」

ままならない病気を抱えて、
雁字がらめになっている夫の苦しみを思うと、
やはり、何とか力になりたいと、心が動いてしまう。

アルコール依存症治療を掲げている病院を検索し、
何件かに問い合わせてみたが……。

通院治療のみだったり、入院治療を行っているが、
重症な内臓疾患を持っていないことが条件だったりで……。

夫のように、糖尿病や肝硬変を併発していると、
精神科の医師のみでは対処できないらしく、
受け入れてもらえないのだ。

結局、3年前に入院した専門病院しか残らなかった。

この事実を夫に伝えると、やっと観念して、
あの病院での再治療を約束してくれた。

長い長い、回り道だった。

1日でも早い入院を希望したが、混雑していて、
2週間近く待たされることになってしまった。

でも、入院を再予約したのだから、
今度こそ、3度目の正直!?

いや、2度あることは3度ある!!
またまた、ドタキャン劇場が繰り返されるかもしれない。

入院予定日までの半信半疑の日々で、
私は、奈落の底を垣間見ることに……。

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非公開コメント

> 「これ以上、もう、無理。
 パパの面倒は看れないから。。。。」

よく おっしゃられました! 小吉さん、その調子です。

匿名依存症者様

ありがとうございます。

啖呵を切ったものの、尻すぼまりで……。
これが、まさに共依存なのだと思います。。。。。
プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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