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ほら吹き

当初、4~5日は入院して経過観察のようなことを
救急科の医師は言っていた。

だから、入院した翌々日の午前10時過ぎ、
いきなり、病院からの電話で、
夫の退院を告げられるとは思ってもいなかった。

病院は、リゾートホテルではないのだから、
症状が落ち着けば、出されるのは当然なのだが……。

午後番の勤務が入っていた私は、
職場に遅刻することを伝えて、病院へ向かった。

夫には、息子のケガをまだ説明していなかった。
家に帰えり、息子の包帯を目の前したら、
その訳をけげんそうに尋ねるに違いない。

やっぱり、今のうちに話しておこうと思った。

夫は、病室での最後の昼ご飯を食べ始めていた。
「美味くない。。。。」
病院食は、そんなものだ。
不平不満ばかり並べたら、食事はますます不味くなる。

いったい、何様のつもりなのか。
自分の立場をわきまえて欲しい。。。。。

夫に対して、苛立ちを覚えていた。

だから、兄妹喧嘩の流れで、
息子が左手を粉砕骨折したことを伝えた時も、
夫を責めているような物言いになってしまった。

夫は、黙ったままだった。
ショックを与えてしまったかも。。。。

夫も病人なのだ。
いたわりが必要なのだ。
優しくなれない自分が情けない。。。。。

しばらくして、うつむいたまま夫が小声で言った。

「このまま、ずっと指が動かない!?なんて……。
 そんなことあるわけないだろう。
 あいつが、わざと大袈裟に言ってるだけだろ」

息子のケガを心配するどころか、
息子をほら吹き呼ばわりしている。

夫には、何も響かない。
夫は、自分の身体の不調で一杯いっぱいなのだ。

切羽詰まっている夫が、
人のことなど思い遣れるはずがないのだ。

退院後、夫は、自分勝手の思い込みに執着し、
簡単な問題をより複雑にしていったのだった。

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P様

離婚という二文字が、頭に浮かんでは消え、
また、浮かぶの繰り返しです。

夫の回復を諦めきれない私と、
これ以上夫に振り回されたくない私との間で、
心は揺れております。

ご心配下さり、本当にありがとうございます。

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私も同じです

はじめまして。
大丈夫ですか?
最初からブログ読まさせていただきました。他人では分からない、自分自身への葛藤が相当お在りではないかと思います。
私も今、主人に振り回されながら、とても不安な生活を子ども達と共に過ごしていて、自分なりに今後の事についていろいろと考え悩んでいる真っ最中です。どう悩んでもなかなか私一人では決められない事、、、というか、主人自身が今後どう生きていくのかを決定してくれないと私は結局、傍観者すぎなく、、、いやいや共存者でもあるかぁ?、、ごめんなさい。最近、考えれば考んがえるほど負のスパイラルにハマってしまって、本当は、答えはわかっているはずなのに、、、私の事はさておき
お互い、口角上げて頑張っていきましょ!

K 様

共依存の塊のような私は、夫の足を引っ張るだけと、
なかなか、変れない自分に嫌気がさしておりましたが……。

「断酒継続の拠り所」という希望をいただき、
思わず、涙がこぼれました。

ありがとうございます。

さっそく、本を買いました。
今、読み進めております。

重ねて、ありがとうございます。

haru. 様

私も「負のスパイラル」に、とっぷり、浸かっております。

haru.様のご心中も、
如何ばかりかと、お察し申し上げます。

「口角上げて頑張っていきましょ!」
本当に、その通りですね。

陰気な顔をしていたら、
ますます、不幸を呼び寄せてしまいますものね。

ありがとうございます。


プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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