土日は、勤務がない。
飲みたい時に飲みたいだけ、酒が飲めるのだ。
アルコールに依存した身体で、
しかも、再飲酒の堂々めぐりの中、
夫が飲まずに過ごすなんて有り得ない。
脳内に出来たアルコール回路による、
飽くなき飲酒欲望は、強烈なのだ。
休日は、日中から飲んでいると思う。
夕食時には、酔いが回っているように見えること多々。
本人は、普通を装っているのだが、
箸を持つ手に力が入らず、ごはんもおかずも逃げて行く。
そんな夫の横で、私は、ごはんもおかずも喉に通らない。
食べ物のほとんどが、夫の腹に収まることなく、
テーブルの上に散らばっている。
そして、そんな夜は、空腹の料理人が登場するのだ。
夫は足元をふらつかせ、台所に立ち、
カップ蕎麦を食べる準備に入った。
冷蔵庫から長葱を取り出し、包丁で切り始めた。
好物の白髪ねぎをトッピングしたいのだ。
手元の怪しい料理人に、繊細な包丁さばきは不可能だ。
「いてぇ~~~~」
夫は、自分の指先を切ったようだが、
手を休めることなく、黙々と葱を切り続けていた。
その静けさが不気味で、
背後から様子を窺い、ぎょっとした。
左の人差指の先から、ぽたぽたと血が流れて、
まな板も葱も血だらけ。
見兼ねて、口を出してしまった。
「危ないから、包丁を置いて……。
痛くないの? 血が出てるのに……。
ケガの手当てをした方がいいと思う」
「横で、ごちゃごちゃうるさいな!!
だったら、見てないで、代わりに作ってよ。
腹減ってるんだから!!」
まったく、どんだけ腹を空かしているんだ。
まずは、傷の手当が先じゃないのか。
このまま続けさせていたら、指を切り落とし兼ねない。
夜中に救急車で病院行きなんて、私はコリゴリなのだ。
代わりに作ることを約束し、
夫を食卓の椅子に座らせ、その指に包帯を巻いた。
白髪ねぎには血がしみ込んでいて、
水洗いしても落ちなかった。
夫が食べるカップ蕎麦だ。
夫の血入り葱でも、不都合はないだろう。
うとうとしている夫の肩を叩いて、
出来上がった蕎麦を勧めると、
「もう、食べたくない。寝る!!」
さっきまでの危ない料理人は、わがままな客に変身し、
ふらふらと寝床へ行ってしまった。
夫の血入り蕎麦はゴミ箱へ直行となり……。
食べ物を粗末にしてしまったこと、
夫の行動に干渉してしまったこと、
することなすこと裏目に出て、落ち込むばかり。。。。。
あ~、気が重い。
また、土日がやって来た。
夫との距離感が難しい。
間違った世話を焼いて、
夫の回復を遅らせてしまっている。。。。。
飲みたい時に飲みたいだけ、酒が飲めるのだ。
アルコールに依存した身体で、
しかも、再飲酒の堂々めぐりの中、
夫が飲まずに過ごすなんて有り得ない。
脳内に出来たアルコール回路による、
飽くなき飲酒欲望は、強烈なのだ。
休日は、日中から飲んでいると思う。
夕食時には、酔いが回っているように見えること多々。
本人は、普通を装っているのだが、
箸を持つ手に力が入らず、ごはんもおかずも逃げて行く。
そんな夫の横で、私は、ごはんもおかずも喉に通らない。
食べ物のほとんどが、夫の腹に収まることなく、
テーブルの上に散らばっている。
そして、そんな夜は、空腹の料理人が登場するのだ。
夫は足元をふらつかせ、台所に立ち、
カップ蕎麦を食べる準備に入った。
冷蔵庫から長葱を取り出し、包丁で切り始めた。
好物の白髪ねぎをトッピングしたいのだ。
手元の怪しい料理人に、繊細な包丁さばきは不可能だ。
「いてぇ~~~~」
夫は、自分の指先を切ったようだが、
手を休めることなく、黙々と葱を切り続けていた。
その静けさが不気味で、
背後から様子を窺い、ぎょっとした。
左の人差指の先から、ぽたぽたと血が流れて、
まな板も葱も血だらけ。
見兼ねて、口を出してしまった。
「危ないから、包丁を置いて……。
痛くないの? 血が出てるのに……。
ケガの手当てをした方がいいと思う」
「横で、ごちゃごちゃうるさいな!!
だったら、見てないで、代わりに作ってよ。
腹減ってるんだから!!」
まったく、どんだけ腹を空かしているんだ。
まずは、傷の手当が先じゃないのか。
このまま続けさせていたら、指を切り落とし兼ねない。
夜中に救急車で病院行きなんて、私はコリゴリなのだ。
代わりに作ることを約束し、
夫を食卓の椅子に座らせ、その指に包帯を巻いた。
白髪ねぎには血がしみ込んでいて、
水洗いしても落ちなかった。
夫が食べるカップ蕎麦だ。
夫の血入り葱でも、不都合はないだろう。
うとうとしている夫の肩を叩いて、
出来上がった蕎麦を勧めると、
「もう、食べたくない。寝る!!」
さっきまでの危ない料理人は、わがままな客に変身し、
ふらふらと寝床へ行ってしまった。
夫の血入り蕎麦はゴミ箱へ直行となり……。
食べ物を粗末にしてしまったこと、
夫の行動に干渉してしまったこと、
することなすこと裏目に出て、落ち込むばかり。。。。。
あ~、気が重い。
また、土日がやって来た。
夫との距離感が難しい。
間違った世話を焼いて、
夫の回復を遅らせてしまっている。。。。。