日中の夫は、依存症回復施設に顔を出していた。
その際は、地下鉄を利用していた。
吊革につかまって立っていると、
眼下の座席に座っていた若い女性から、
いぶかしげな顔付きで何度も見られたそうだ。
「俺、変なおじさんに見えるのかなぁ」
とても、気にしていた。
「じろじろなんて、気のせいじゃないの。
パパは、普通のおじさんだよ」
私は軽く受け流したが、
夫は割り切れないようで……。
「結婚指輪、まだあるかなぁ?
独り者の変人に見られないよう、
既婚の印の指輪、はめておきたいんだ」
私も夫も皮膚が弱く、指輪を付けていると、
その部分が痒くなってしまい……。
結婚早々で、二人とも指輪を外してしまった。

30数年ぶりに、マリッジ・リングが
夫の左手の薬指に納まった。
夫は、どんな思いで指輪を眺めていたのだろう。
今はもう、聞くすべがない。。。。。。
その際は、地下鉄を利用していた。
吊革につかまって立っていると、
眼下の座席に座っていた若い女性から、
いぶかしげな顔付きで何度も見られたそうだ。
「俺、変なおじさんに見えるのかなぁ」
とても、気にしていた。
「じろじろなんて、気のせいじゃないの。
パパは、普通のおじさんだよ」
私は軽く受け流したが、
夫は割り切れないようで……。
「結婚指輪、まだあるかなぁ?
独り者の変人に見られないよう、
既婚の印の指輪、はめておきたいんだ」
私も夫も皮膚が弱く、指輪を付けていると、
その部分が痒くなってしまい……。
結婚早々で、二人とも指輪を外してしまった。

30数年ぶりに、マリッジ・リングが
夫の左手の薬指に納まった。
夫は、どんな思いで指輪を眺めていたのだろう。
今はもう、聞くすべがない。。。。。。