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不死身

退院した夫には、「これ以上飲んだら、ヤバイ」と
思える基準はあったと思う。

でも、我慢しながらの飲酒はすぐに限界に……。

コントロールを失っている身体に酒を流し込めば、
当然の結果が訪れる。

まだ飲みたい。
もっと飲みたい。
もっともっともっと飲みたい。

ほどほどで終わりにすることは不可能だ。

「全て飲み干してしまえ!!」

そんな悪魔の囁きに逆らうことなく、
終日、夫は目の前の酒を体に流し込み、
足元も覚束なくなり、転倒。

顔面打撲、裂傷。
流血で家の中を汚す。

「またか……」

今まで、似たような光景を幾度となく見て来たので、
もはや、私に危機感はない。

血まみれになっても、夫は生きてきた。
不死身だ。
きっと夫は、私より長生きするに違いない。

そんなふうに思えて、夫を案じるのはやめにした。

私は、もっと自分のことに集中しよう。
私の人生の終わりは着々と迫っている。

まだ体力、知力のあるうちにと、整理整頓に努めている。
不要な物を手放すことで、心を軽くしている。

いつ自分の最期が来てもいいように、
終活が今年の目当てになっている。

そんな最中、退院して間もない夫が、
再びの入院治療を口にした。

本気で病気を治める気があるのだろうか?
身体がきついから、取り敢えずの入院希望か?

いづれにしても、入院したいのならすればいい。
反対する理由はない。

で、打撲による赤アザで腫れ上がった顔の夫は、
予約外で外来を受診した。
変わり果てた顔は主治医を驚かせ、即日入院となった。

入院回数だけが更新し続けている。
アルコール依存症治療で9回。
飲酒関連の病気とケガで4回。

そろそろ、おしまいにして欲しいなぁ。
というか、いい加減、目を覚ませよ!!って感じ。

でも、まだまだ、続くんだろうなぁ。
なにせ、夫は不死身!?なので。。。。。


プロフィール

小吉

Author:小吉
相棒の発症のおかげで、
加減して飲むことを学習。
依存症予備軍!?
猫舌の呑助です。。。。。

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